・be known to
・be known for
・be known as
・become known as
・be known by
これらはいずれも似ているようで、意味と使い方が少し異なります。
更に、2つが組み合わさった複合型もあります。
この記事では、それらの違いと考え方を例文を交えながら1つずつ見ていきます。
- be known to の意味
- be known for の意味
- be known as の意味
- become known as の意味
- be known by の意味
- 2つが組み合わさる複合型
- 使い方まとめ
be known to の意味
「be known to A」の意味は「Aに知られている」です。
Aには主に特定の人々などのグループが入ります。
This temple is known to tourists.
→このお寺は観光客に知られている。
The character is known to all movie fans.
→そのキャラクター(登場人物)は全ての映画ファンに知られている。
The name of that actor is known to almost every American.
→その俳優の名前はほとんどのアメリカ人に知られている。
be known to do の意味
to の後に動詞の原形が続き、「be known to do」の形になる場合もあります。
その場合は「~すると知られている」や「~ということで知られている」という意味になります。
Tigers are known to climb trees.
→虎は木に登ることで知られる。
He is known to have a short temper.
→彼は気が短いということで知られている。
He's known to be funny.
→彼は面白いということで知られている。
以上のように、後ろに置かれているのが名詞か動詞かに注意する必要があります。
be known for の意味
「be known for A」の意味は「Aで知られている」や「Aで有名である」です。
これは「Aが理由(原因)で主語が有名である」ということを表しています。
Aには主に名詞や動名詞が続きます。
The station is known for its beautiful scenery.
→その駅は美しい景色で知られている。
Kyoto is known for its old temple.
→京都は古いお寺で有名です。
She was known for her cooking.
→彼女は料理(の腕前)で有名でした。
He is known for drawing cats.
→彼は猫を描くことで知られている。
The palace is known for its beautiful gardens.
→その宮殿は美しい庭園で有名です。
The restaurant is well known for its Mexican food.
→そのレストランはメキシコ料理でよく知られています。
be known as の意味
「be known as A」の意味は「Aとして知られている」です。
文脈によっては「Aと呼ばれている」と訳すこともできます。
主語とAはイコールで結ぶことができます。
Bob Kane is known as the creator of Batman.
→ボブ・ケインはバットマンの創作者として知られている。
(ボブ・ケイン=バットマンの作者)
Yoshitsune is known as Ushiwakamaru.
→源義経は牛若丸として知られている。
→源義経は牛若丸と呼ばれている。
(義経=牛若丸)
She is now known as a world-famous singer.
→彼女は今や世界的に有名な歌手として知られている。
(彼女=世界的な有名歌手)
become known as の意味
「become known as A」の意味は「(後に)Aとして知られるようになる」です。
こちらも文脈によっては「Aと呼ばれるようになる」と訳すことが可能です。
イメージとしては「主語 = 後のAである」です。
Norma Jeane Mortenson became known as Marilyn Monroe.
→ノーマ・ジーン・モーテンソンはマリリン・モンローとして知られるようになった。
The day became known as Bloody Sunday.
→その日は血の日曜日事件として知られるようになった。
→その日は血の日曜日事件と呼ばれることになった。
After the incident, Bob became known as a troublemaker.
→事件後、ボブはトラブルメーカーとして知られるようになった。
(引用:ALL IN ONE Basic p174)
His philosophy later became known as Confucianism.
→彼の哲学は後に儒教として呼ばれるようになった。
(引用:ENGLISH EX p56)
be known by の意味
「be known by A」の意味は「(主語は)Aによって知られている」です。
ここには「Aによって判断される」のニュアンスがあります。
何故なら、この「by」は判断の基準を表し、主語がどのように認識されているかを示しているからです。
He is known by many names.
→彼は多くの名前で知られています。
この文は「彼は人々に多くの名前でその存在を認識されている」のニュアンスを持ちます。
「be known as」とは違い、「He = many names」になりません。
She is known by her nickname, Violet.
→彼女はヴァイオレットというニックネームで知られている。
この文は「彼女は周りからヴァイオレットというニックネームでその存在を認識されている」のニュアンスです。
言い換えると、彼女というものを判断する材料がヴァイオレットというニックネームです。
こちらも「She = her nickname」とはなりませんが、単純に「She is known as Violet.(彼女はヴァイオレットとして知られている)」と言い換えることができます。
2つが組み合わさる複合型
「be known to」と「be known for 」が組み合わさる場合があります。
Bob was known to the police for his anti-social behavior.
→ボブは反社会的な行動で警察に知られていた。
(引用:ALL IN ONE Basic p172)
この文は、「known to the police(警察に知られている)」と「known for his anti-social behavior(反社会的な行動で)」が合わさった形です。
また、「Bob was known by the police(警察によって知られていた)」にすることもできます。
Leonardo was known to his friends as Lenny.
→レオナルドは友人からはレニーと呼ばれていた。
(引用:ENGLISH EX p56)
この文も「Leonardo was known to his friends.」と「Leonardo was known as Lenny.」の組み合わせです。
直訳だと「レオナルドは友人たちにレニーとして知られていた」ですが、要はあだ名のことを言っているので、「~と呼ばれていた」と訳すことができます。
使い方まとめ
【be known to A】
・Aに知られている
・主語がA(特定のグループ)の中で知られているイメージ
【be known to +動詞の原形】
・~すると知られている
【be known for A】
・Aで知られている / Aで有名である
・主語が知られている理由がA
・Aは名詞か動名詞
【be known as A】
・Aとして知られている
・Aと呼ばれる
・主語=A
【become known as A】
・Aとして知られるようになる
・Aと呼ばれるようになる
・主語 = のちのA
【be known by A】
・Aによって知られている
・「主語がAによって認識されている」というニュアンス
・「by」は判断の基準を表し、主語が他人からどのように認識されているのかを示す
【複合型】
・2つの表現を組み合わせることができる
また、「also known as」を略した「aka / a.k.a.」については「英語の「aka / a.k.a.」の意味と使い方の注意点」の記事をご覧ください。