come up with の意味
「come up with」は、
・~を考え出す
・~を思いつく
・~(お金)を用意する
などという意味があります。
この記事で注目するのは、その中に「~に追いつく」という意味があるのかどうかです。
DUO3.0の come up with の説明にはこうあります。
この熟語が catch up with…(…に追い付く)の同意語だと一部の英和辞典に掲載されていますが、実際にその意味はありません。
(DUO3.0 例文84より)
come up with の意味に catch up with の意味が含まれるか問題でもあります。
単語帳にはこう書いてあるけど、英和辞典には載っている。
では、どっちを信じればいいの???
これは以前から少し気になっていたので、改めて調べてみました。
come up with の意味を辞書で調べる
確かに、「追いつく」という意味が載っている辞書はあります。
特に紙の英和辞典だと、載っている率が高いです。
また、Weblio英和辞典では1番上に載っていたりします。
手元のウィズダム英和辞典第4版には、一番最後かつ、(まれ)の表記と共に載っています。
((まれ)) A(人などに)追いつく(→catch up ( with A))
しかし、英英辞典だと逆です。
いくつかのサイトで調べてみます。
1 to think of an idea, answer etc
2 informal to produce an amount of money
(ロングマン現代英英辞典より)
to suggest or think of an idea or plan
to manage to find or produce something that is needed, usually money
(Cambridge Dictionary より)
to find or produce an answer, a sum of money, etc.
(Oxford Learner's Dictionaryより)
to get or think of (something that is needed or wanted)
(Merriam Webster Learner's Dictionaryより)
definition 1: to search one's memory or use one's imagination to produce a word, name, idea, or the like.
definition 2: to produce after searching, borrowing, or the like.
(Wordsmythより)
いずれも英和辞典に載っている「考え出す」や「思いつく」という意味がメインです。
しかし、「追いつく(catch up with)」を含む意味は見当たりません。
その他の意見
これに関しては他にも、
・追いつくは古い使い方じゃないか
・英和辞典に載っているのは底本による影響ではないか
・ネイティブに追いつくという意味で使ってみたら通じなかった
という意見や、
高校の時、ネクステのcome up withの欄に「追いつくの意味もある」と補足があり、嘘をつくんじゃないと思い、出版社に電話し訂正を要求した。大学生になりたまたま本屋で見つけて改訂版を見たら(ややうろ覚えだが)「catch up with(追いつく)の意味ではないので注意」との注意書き
— 山崎竜成 (@yamazaki_prepE) July 17, 2018
僕「お前だよ」
このようなtweetもありました。
結論
【結論】
「追いつく」という意味で使う場合は「catch up with」が無難
言葉は生き物なので、辞書に載っていない=使われていない、とは言えません。
日本語でも、日常で耳にする言葉が広辞苑に載っていないことが意外とあります。
それがクイズ番組の問題として出題されることもあります。
一方で、英英辞典に載っていない=主な使い方ではない、とも言えます。
そもそも、「追いつく」と「come up with」、「come up with」と「catch up with」が言葉の意味としてどれだけ距離が離れているのかも曖昧です。
いずれにせよ、「come up with」は「考え出す」「思いつく」+αという、英英辞典に載っている意味。
それ以外は他の類語や言い換え表現を使うことで、通じやすさや理解しやすさも変わってくるはずです。