
- 「英語脳」や「英語を英語で理解する」の意味
- 単語やフレーズを訳さずに理解できる
- 日本語を英語特有の言い方に変換できる
- 文章をカタマリで理解できる
- 英語脳の作り方
- 注意点は「日本語を訳さない」
- 英語で考える方法と練習法
- まとめ
「英語脳」や「英語を英語で理解する」の意味
英語を勉強する中で、「英語脳」や「英語を英語で理解する」という言葉をよく耳にします。
逆に「英語脳は存在しない」という話もあります。
個人的には、それぞれの考え方や意識の問題だと思ってるので、何が正しくて何が間違いであるとは思っていません。
私が英語学習をする中で感じる「英語脳や英語を英語で理解するとはこういうことだろうな」という感覚は大きく分けて3つあります。
・単語やフレーズなどを訳さずに理解できる
・日本語を英語特有の言い方に変換できる
・文章をカタマリで理解できる
科学的や専門的な話ではなく、あくまでいち英語学習者としての意見なので、ご留意いただけると幸いです。
単語やフレーズを訳さずに理解できる
例えば、「go」や「My name is ~」は、すぐに意味が理解できると思います。
結論から言うと、「その状態」です。
英文を読んだり聞いたりした時に「日本語に訳さずとも理解できる状態」が「英語を英語で理解している状態」になります。
その状態になっている単語やフレーズを増やすことで、読解が速くなったり、リスニングの際にも「えー、どういう意味だっけ?」となりにくくなります。
スピーキングの「パッと出る」も同じ
スピーキングで「口からパッと出る」も同じ状態です。
例えば、「~に行きました」を「I went to」と何も考えずに言える方は、「I went to」という言い方を吸収している方です。
では、「雨が降るかも」は簡単な英語で何と言うでしょうか。
答えは「It might rain.」です。
これを考えずにパッと言える方は「It might rain.」というフレーズや「It might ~」をマスターしている方と言えます。
このように、考えずに言いたいことを言えるフレーズを増やすことが鍵です。
日本語を英語特有の言い方に変換できる
英語特有の表現に無生物主語があります。
What brought you here?
どうしてここに来たのですか?
直訳だと「何があなたをここに連れてきたのですか?」になりますが、これは日本語にはない表現方法です。
先ほどの「It might rain.」も、日本語の「雨が降るかも」の中には「It」を思わせる単語はありません。
このような「英語特有の表現を理解し、それを使って文章を作れること」が英語脳の一種であり、「日本語を英語特有の言い方に変換できること」でもあります。
意訳や言い換えをする
「日本語→英語」に変換する時、「直訳ではないけど言っていることは同じ」であるように意訳や言い換えをするパターンもあります。
例えば、「今日まで休みです」と言いたいけど、言い方が分からない場合。
「I have to go to work(school) tomorrow.(明日、仕事(学校)に行かなければならない)」などのように、別の言い方を考える方法です。
「会話は中学英語で十分」の意味
よく「会話は中学英語で十分」と言われます。
それは、「言いたいことを中学英語レベルの簡単な表現に言い換えられる」ことを意味します。
難しい単語を使ったり、言い方が分からない言葉をそのまま訳そうとするのではなく、「言える表現で言う」という変換が英語脳の1つです。
文章をカタマリで理解できる
日本語と英語の語順は基本的に逆なので、英語を理解するには英語の語順で理解する必要があります。
I go to the gym after work.
私は仕事の後にジムに行きます。
語順通りに訳すと「私は行く へ そのジム 後 仕事」になります。
しかし、英語の文章に慣れてくると、「I go / to the gym / after work.」と、1つのカタマリごとに前から意味を取れるようになってきます。
更に慣れてくると「I go to the gym / after work.」のように、より大きなカタマリで理解できるようになってきます。
これはスラッシュリーディングと呼ばれるものです。
この「前から意味を取っていく方法」を会得するには、結局は文法学習と簡単な文章の多読とリスニングに行きつきます。
文法を意識しながら何度も文章を読んだり聞いたりすることで、前から理解する能力が身について行きます。
スピーキングも「前から話す」
英語のカタマリの意識はスピーキングの際にも役に立ちます。
例えば、「これは昨日買った本です」と言いたい場合。
「これは本です 私が買った 昨日」と、脳内で英語の語順のカタマリを作ることで「This is a book I bought yesterday.」という文を組み立てることができます。
そして、こちらも反復練習が全てです。
文法や語順を意識した音読を繰り返していくと、自然にカタマリを意識して作れるようになっていきます。
英語脳の作り方
ここでは便宜上、全てをひっくるめて「英語脳」と言いますが、それを作るには「英文を読んで、知って、反復しながら応用する」に至ります。
・英語のテキスト(英語教材やネイティブ向けテキストなど)を読む
・ネイティブの発言(Youtube や映画・ドラマなど)を聞く
↓
・「英語ではこういう言い方をするのか」を知る
↓
・何度も読んだり何度も口に出したりする
↓
・それらを応用する
結局はこれに尽きます。
英語での言い方を知るには「英文を読んだり聞いたりする」以外にありません。
そして、それを何度も読んで吸収したり、多くの英語に触れていきます。
応用は「入れ替え」と「変換」
応用とは単語の入れ替えや変換を指します。
例えば、「雪が降るかも」は英語で何と言うでしょうか。
「It might rain.」という言い方を知っていれば、「It might snow.」と応用することができます。
「~に行かなかった」なら、「I go to」を「I didn't go to ~」と否定文に変換すればいいだけです。
以上のように、英語での言い方を1つでも知っていれば、言えることが格段に増えます。
そのためには、やはり「まずは英語での言い方を知る」しかありません。
注意点は「日本語を訳さない」
やりがちなミスは「日本語を英語に訳す」です。
例えば、「あなたにお勧めします」は何と言うでしょうか。
よくあるのが「I recommend you.」という間違いです。
これは日本語の「あなたにお勧め」をそのまま英語に訳そうとした時に起こる間違いだと考えられます。
正しくは「I recommend it.」です。
後ろには「お勧めするもの」が入るので、「recommend +お勧めするもの」の語順になります。
よって、「I recommend you.」は「"あなたを" お勧めします」になってしまいます。
ちなみに、「みんなにお勧め」の場合は「I recommend it to everyone.」の形になります。
このように、日本語から英語に訳すのではなく、先に英語での言い方を学んで応用していく方が間違いがありません。
英語で考える方法と練習法
英語で考える方法とトレーニング法にお勧めなのが英語での独り言です。
・今やっていることや考えていることを英語にしてみる
・周りの状況を英語で説明してみる
・その日に学んだ単語やフレーズなどを使って文章を作ってみる
・1つのテーマを決め、それについて話してみる
とにかく「英語にしてみること」を意識します。
最初から難しい文章を作る必要はありません。
それこそ「雨が降るかも」レベルから始めることで「英語で考える癖」を付けることができます。
もし何と言えばいいか分からない場合は必ず調べます。
今はAIが進化しているので、ChatGPT や X(旧Twitter)の Grok に聞いてみても良いです。
最終的には「簡単な英語をパッと言えるようにする」ことと「英語に触れる回数を増やす」ことで、「英語で考えること」が身について行きます。
そのような積み重ねが「英語脳」や「英語を英語で理解する」ことに繋がっていきます。
まとめ
私が考える「英語脳」や「英語を英語で理解する」とは、
【単語やフレーズなどを訳さずに理解できる】
→「日本語に訳さずとも理解できる状態」が「英語を英語で理解している状態」
【日本語を英語特有の言い方に変換できる】
→無生物主語などの英語特有の表現を理解し、それを使って文章を作れること
→直訳できなければ意訳や言い換えを考えてみる
【文章をカタマリで理解できる】
→日本語とは真逆の語順の英語を「前からカタマリごとに意味を取っていける」こと
この3つです。
これが出来るようになるには「英文を読んで、英語の言い方を知って、反復練習をしながら応用する」ことに尽きます。
大事なのは「英語の言い方を知る→練習や応用」の順番です。
そうしないと、日本語から訳すことで誤訳が生まれる可能性があるからです。
もし分からなかったり理解が曖昧な場合は必ず調べます。
トレーニング方法でお勧めなのが英語での独り言で、「英語で考える癖」を付けていきます。
独り言に関しては個別にまとめているので、より詳しくは以下の記事をご覧ください。