英語の最重要ポイントに「英語のリズム」があります。
これは大きく分けて以下の2つで構成されます。
・単語のアクセント
・英文全体のアクセントと抑揚
単語1つ1つの発音やアクセントを学ぶことは大切です。
が、それらが繋がって文になった時、全体のリズムが生まれます。
何故英語圏の人の「こんにちは」が「こんに~ちは」になったり、野球選手の「イチロー」が「イッチロー」になるのかというと、英語には必ず強弱があるから。
「私の名前は」が「わったーしのなっまーえは」になるのも同様です。
この記事では、単語や英文を読む時の「リズム」を覚える練習方法を紹介します。
- オーバーラッピングで英語のリズムを身に付ける
- 意識する2つのポイント
- 具体的な練習方法
- スロー再生も活用する
- 1文ずつ増やしていく練習法
- おすすめは好きな人を真似る
- 完璧を求める必要はない
- リズムの練習は初心者こそ重要
- まとめ
オーバーラッピングで英語のリズムを身に付ける
結論から言うと、ひたすら「オーバーラッピング」をします。
オーバーラッピングとは、英文(テキスト)を見ながら英語音声と同時に発音する練習方法です。
ジャド―イングとの違いは、同時に発音するか、あとを追いかけて発音するかの違いです。
これを単語から英文全体まで行います。
練習法を簡単に言うと「コピー」や「モノマネ」です。
意識する2つのポイント
・実際にどう発音されているか
・どこが強く、どこが弱く発音されているか
例えば、「Did you」を「ディドゥ ユー」とは発音せず、「ディジュー」になります。
「When I」なら「ウェナイ」のように「n と ai」の音が繋がります。
そのような「実際にはどう発音されているか」を意識し、真似して発音します。
もう1つが文章の中の強弱です。
例えば、「I would like to go to the party.」という文。
全部フラットに読むのではなく、太字の部分を強く読み、それ以外を弱く読みます。
さらに「to the」は「トゥー ザ」ではなく、弱めの「ダザ」になります(アメリカ英語)。
以上のように、文章全体の強弱と、どのような発音されているのか意識してリスニングし、同じように発音する練習を繰り返します。
具体的な練習方法
最初は単語帳や英文法書など、ネイティブ音声の付いた短めの例文で練習します。
音声を聞く
↓
音声と同じように発音してみる
↓
音声と同時に発音してみる
↓
言えない部分は、どう発音されているのか「実際の音」を注意して聞き、その通りに発音してみる
↓
(自分の声を録音して聞いてみる)
↓
音声と合わさるように発音できるまで練習
↓
音声無しで同じように発音できるようになったら次へ
余裕があれば自分の音声を録音して聞いてみます。
元の音源と同じように発音できていればクリアです。
この練習法のメリットはリスニングとスピーキングも上達することです。
実際の発音を真似ることで、よりナチュラルに言えたり、リスニングの際にも聞き取れるようになっていきます。
スロー再生も活用する
少し速い部分や音の繋がりが聞き取れない場合はスロー再生をします。
音声をスローで流す
↓
実際の「音」を確認
↓
同じように発音してみる
↓
上手く言えるようになったら等倍に戻して練習
このように、スロー再生も活用していきます。
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1文ずつ増やしていく練習法
いつもおすすめしている「英文や会話形式の単語帳」のように、まとまった例文がある教材は最適です。
練習方法は、オーバーラッピングする文章を1文ずつ増やしていくことです。
1文ずつ真似していくのは基本ですが、次の文に移る時には最初に戻ります。
「速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3」の1番最初の例文でやり方を説明します。
Mom, do dogs dream?
That's a good question, honey. Let's look on the internet.
Yeah, let's do that.
「Mom, do dogs dream?」の練習
↓
「That's a good question, honey.」の練習
↓
「Mom, do dogs dream? That's a good question, honey.」まで通して言えるようにする
↓
「Let's look on the internet.」の練習
↓
「Mom, do dogs dream? That's a good question, honey. Let's look on the internet.」まで通して言えるようにする
↓
「Yeah, let's do that.」の練習
↓
最後は全て通して言えるようにする
このように、新しい文の練習が終わったら、最初に戻ります。
簡単に言うと「その都度、復習しながら進めていく」です。
1文ずつ学んで最後に通して練習するよりも、次の文に移るたびに最初から復習しながらやる方が頭に残ります。
歌の練習と同じ手法
イメージは歌の練習です。
歌手の歌声に合わせて歌った時、音程やリズムが違う部分があると「あれ?」となります。
その部分をキチンと歌えるように、元の歌を聞き、同じように歌ってみます。
最初は上手く歌えなくても、何度も繰り返すうちに自然と歌えるようになっていきます。
それと同じようなことを英文でも行います。
完璧に歌えるようになればカラオケでも詰まらず、歌手の歌声と重ねても歌えるようになるのと同じく、英文も正しく発音できれは英語音声とピッタリ合うことが可能です。
そこまで行けばアカペラで歌えるように、英文も自然と口から出るようになります。
その状態を目指してオーバーラッピングをしていきます。
おすすめは好きな人を真似る
おすすめは「好きな俳優や女優の話し方を真似る」です。
「話し方いいな」「発音カッコいいな」「セクシーだな」などと思った人を真似てみます。
特にインタビューやプレゼンは誰かに向けて話していることが多いので、教材としても最適です。
司会者側の質問の仕方や答え方も勉強になります。
あとはアメリカ英語かイギリス英語、それ以外の英語のどれを学びたいかによっても人物は変わってきます。
完璧を求める必要はない
これまで練習法を見てきましたが、全ての文で完璧を求める必要はありません。
特に速すぎたり真似が難しい文の場合、「ゆっくりなら言える」程度で抑えて、数をこなしていった方がトータルでプラスになります。
例えば、「生麦生米生卵」を限界速度で言えるようになるまで練習するよりも、普通の文章を使ってネイティブに近い発音でたくさん練習する方が効率的です。
リズムの練習は初心者こそ重要
このような「音」の練習は、英語の学び始めから取り入れるのが効果的です。
何故なら、カタカナ英語を捨てて「本来の音」を学ぶことで、その後の英語学習が効率的になるからです。
先述のようにリスニング力も上がり、スピーキングでもネイティブに近い音で発音できるようになります。
それに、ある程度学習が進んでから矯正しようとすると大変な思いをします。
このブログでも何度も書いているように、「文法」と「発音(発音記号)」は先に学んでおくことがメリットになります。
これは私自身の経験でもあります。
まとめ
英文を見ながら英語音声と同時に発音する「オーバーラッピング」で英語のリズムを体に刻み込みます。
ただし、一朝一夕では身に付きません。
毎日英語を口から出し、毎日ネイティブの音声を聞くことにより、少しずつ身に付いていきます。
最初は簡単な文から始め、少しずつ量や速度を上げていきます。
ひたすら「真似」をすることで、リスニングやスピーキングの助けにもなります。
このような「英語の音」は日本人が苦手とする要素なので、積極的に学んでいく必要があります。
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