動名詞の意味上の主語を分かりやすく解説|動名詞の使い方と応用

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動名詞の使い方の1つに「動名詞の意味上の主語」があります。

 

が、日本語から考えるとピンと来ないのが正直なところです。

 

 

 

この記事では、例文を見ながらできるだけ分かりやすく、動名詞の意味上の主語の使い方。

 

そして便利な動名詞の使い方と応用を見ていきます。

 

 

 

to不定詞の意味上の主語」については、こちらをご覧ください。

 

to不定詞の意味上の主語を分かりやすく例文で解説。「for」と「of」の使い方の違いに注意!

 

 

 

動名詞の意味上の主語の使い方と例文

 

動名詞の意味上の主語とは、「目的格 or 所有格+動名詞(動詞のing)」の形で「その動きを誰が行うか」を明確にする働きをします。

 

目的格(me, you, him, her, them)

 

所有格(my, your, his, her, ther)

 

例文

I'm counting on you coming.

 

→あなたが来ることを期待しています / 当てにしています。

 

count on +ing」は「~することを期待する」という意味で、そこに意味上の主語「you」が入った形です。

 

 

 

何故意味上の主語が必要かというと、「期待している人(I)」と「来る人(you)」が違うからです。

 

つまり、「"あなたが" 来ること(you coming)」を「私は期待している(I'm counting on)」の構成になっています。

 

 

 

例文

I'm tired of my boss yelling at me.

 

→上司に怒鳴られるのにうんざりしている。

 

この文は意味上の主語が「my boss」で、このような形も可能です。

 

これも同様に、「私は "上司が"  私に怒鳴ることにうんざりしている」になります。

 

これを意味上の主語を示さず「I'm tired of yelling at me.」になると、「私は私を怒鳴ることにうんざりしている」になり、なかなかに危ない状況になります。

 

 

例文

I can't imagine him beating her.

 

→彼が彼女を殴るなんて想像できない。

 

imagine + 動詞のing」の意味は「~するのを想像する」です。

 

ここに意味上の主語「him」を入れることにより、「私は "彼が" 彼女を殴るのを想像できない」となります。

 

 

「Would you mind + 意味上の主語」に注意

 

少しややこしいのが、「Would you(Do you) mind +ing」に意味上の主語が入る文です。

 

 

Would you mind + ing」は「~していただけますか?」という依頼の表現です。

 

例文

Would you mind opening the window?

 

→窓を開けていただけますか?

 

 

これに意味上の主語「me」を入れるとこうなります。

Would you mind me opening the window?

 

→窓を開けてもいいですか?

 

 

この文は「"私が" 窓を開けてもいいですか?」と、行為者が「me」になります。

 

 

尋ねている相手(you)と窓を開ける人(me)が違うため、「me + opening」の形になります。

 

意味上の主語は目的格か所有格か

 

文法書などには、

動名詞の意味上の主語は目的格と所有格のいずれも可能

 

主語の場合は所有格を使う

などと書かれています。

 

 

しかし、海外ドラマや洋画を見ると、ほとんどが目的格で、所有格が使われているのはほぼ見かけません

 

主語に置かれる場合も同様に目的格が使われています

 

 

そのため、意味上の主語が置かれる場合、所有格(my、your、his、ther)ではなく、目的格(me、you、him、her、them)の方が一般的に使われています

 

 

この辺りは受験英語と実際に使われている英語の違いでもあります。

 

映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の例文

 

動名詞の意味上の主語の使い方

映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より

 

Do you mind me trying?

 

やってみても?

 

占い学の授業を受けるハーマイオニーのセリフです。

 

 

イギリス英語でも「me」が使われています。

 

 

動名詞は名詞の場所に入れることができる

 

動名詞は名詞の場所に入れることができます

 

何故なら、意味上の主語 + ing で1つの名詞という扱いだからです。

 

 

 

例えば、「~を楽しみにしている」でお馴染みの「I'm looking forward to」の後ろには名詞を置きます。

 

※この to は前置詞

 

名詞を置くということは、動名詞を置くことができるということになります。

 

 

 

そのことを踏まえて、具体的な例文を見ていきます。

 

例文

I'm looking forward to seeing her.

 

→彼女に会うのを楽しみにしています。

 

「seeing her」で「彼女に会うこと」という1つの名詞を作っているので、to の後ろに置けます。

 

これは「彼女」に会うのを楽しみにしているのが「私」なので、そのまま動名詞が置かれた形です。

 

 

例文

I'm looking forward to him coming.

 

→彼が来るのを楽しみにしています。

 

これは意味上の主語「him」+動名詞「coming」の形で1つの名詞です。

 

そして、楽しみにしている人(I)と来る人(him)が違うので、意味上の主語が必要になります。

 

 

 

また、固有名詞も置くことができるため、

 

I'm looking forward to Tom coming.(トムが来ることを楽しみにしています)

 

と言うことができます。

 

意味上の主語の否定形

 

動名詞の否定形は「not + ing」です。

 

一方、意味上の主語が入る場合は「意味上の主語 + not + ing」の語順になります。

 

例文

 

I'm looking forward to not being busy.

 

→私は忙しくなくなることを楽しみにしている。

 

 

I'm looking forward to him not being busy.

 

→私は彼が忙しくなくなることを楽しみにしている。

 

 

形容詞は「be + 形容詞」の形で使われるので、動名詞では「being + 形容詞」の形になります

 

動名詞は主語にもなる

 

名詞は主語に置けます。

 

と言うことは動名詞も置くことができ、意味上の主語も示すこともできます。

 

つまり、意味上の主語が文頭に来ます。

 

 

例文
Him not coming is my fault.

 

彼が来ないのは私のせいです

 

連絡のし忘れか何かで、彼が来ていない状態です。

 

 

この文は「Him not coming」という「意味上の主語を含む動名詞の否定」が主語に置かれています。

 

 

 

文法書では「主語の場合は所有格(his)が使われる」と書かれていることが多いです。

 

しかし先述のように、実際には目的格(Him)が置かれることがほとんどです。

 

 

動名詞の意味上の主語の例文

 

Would you mind me smoking?

 

→タバコを吸ってもいいですか?

 

 

The biggest issue is you being the coach.

 

→一番の問題はあなたがコーチであることです。

 

 

I appreciate you telling me that.

 

→(あなたが私に)そのことを教えてくれて感謝しています。

 

 

I don't mind him criticizing me.

 

→彼が私を批判するのを何とも思わない。

 

 

I changed my mind about you meeting my parents.

 

→あなたが私の親に会うことについて気が変わった。

 

 

She objected to her daughter marrying Ken.

 

→彼女は娘がケンと結婚することに反対した。

 

 

I'm tired of him not doing his task.

 

→私は彼が自分の作業をしないことにうんざりしている。

 

 

Me going on vacation is essential to my health.

 

→私が休暇に行くことは私の健康に不可欠です。

 

 

They moved away when they were aware of me watching them.

 

→私が2人を見ていることに気付くと、2人は去っていきました。

 

(引用: 速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 p358)

 

 

She is such a calm, refined lady that I can't possibly imagine her using such foul, vulgar language.

 

→あの方は冷静で上品な女性ですから、そんな汚らしい下品なことばを使うなんて想像できません。

 

(引用: ALL IN ONE 例文132)