「have to」と「must」はどちらも「~しなければならない」と訳されます。
しかし、日本語は同じでも、そのニュアンスが異なります。
それらのニュアンスの違いを肯定文・否定文に分けて1つずつ見ていきます。
肯定文の「have to」
「have to」のニュアンスは
・自分の意思とは関係なく「そうしなければならない時」
・「そういうルールの時」
という「しなければならない」です。
仕方なくしなければならないときの「have to」
1つ目は「仕方なく~しなければならない」とき。
例えば、
・「歯医者に行きたくないけど、銀歯が取れたから行かなきゃなぁ」
・「勉強したくないけど、テストが近いから勉強しなきゃなぁ」
という時は
・「I have to go to the dentist」
・「I have to study」
になります。
「The road was being repaired yesterday, so I had to make a long detour」
→「昨日、道路が工事中だったので、(仕方なく)遠回りしなければならなかった」
日本語的には「~せざるを得ない」に近いです。
一般的なルールや義務の「have to」
2つ目は「一般的なルール」や「義務」がある場合です。
「I have to buy the ticket to get on the bus」
→そのバスに乗るためにはチケットを買わなければならない(→社会的なルール)。
「I have to get up early tomorrow」
→明日は早く起きなければならない(→学校や仕事という義務)。
「I have to go to work today」
→今日は仕事に行かなければならない(→義務)。
2・3人称の時も同じです。
「You have to take your medication every day」
→あなたは毎日薬を飲む必要があります(→医者により服用が決められているから)。
「You have to buy the ticket to get on the bus」
→そのバスに乗るためにはチケットを買う必要があります(→社会的なルール)。
「You have to wear a swimming cap at this pool」
→このプールでは水泳帽を被らないといけません(→このプールのルール)。
このように「have to」は自分の意思とは違う、外的な要因や周囲の状況による「義務」や「必要性」による「しなければならない」です。
肯定文の「must」
「must」のニュアンスは「自発的に~しなければならない」です。
自分の意思とは関係のない「have to」とは違い、自分の意思で行う時に使います。
例えば、自分の意思で
・「歯医者に行かなきゃ」
・「勉強しなくちゃ」
・「もう行かなきゃ」
と思った時は
・「I must go to the dentist」
・「I must study」
・「I must go now」
になります。
ここには話し手の主観が現れています。
そのため、使い方には注意が必要です。
「you must go to the dentist」
→あなたは歯医者に行かなければならない(→話し手の命令)。
「you must study」
否定文の「have to」と「must」の違い
否定文ではニュアンスが更に異なります。
「not have to」のニュアンス
「not have to」は「~する必要はない」や「~する必要はないですよ」という柔いニュアンスです。
「I don't have to clean my room」
→部屋を掃除する必要はないかな。
「You don't have to eat it all」
→全部食べる必要はないですよ 。
「must not」のニュアンス
「must not 」は「~してはいけない」という強い禁止を表します。
「I must not eat too much」
→(ダイエット中だから)食べ過ぎちゃ駄目だ。
「You must not take pictures here」
→ここで写真を撮ってはいけません。
「You must not eat too much」
→食べ過ぎ厳禁 。
今日は「have to」と「must」の違いでした。
参考文献