「大学入試 飛躍のフレーズ IDIOMATIC 300」の内容
「大学入試 飛躍のフレーズ IDIOMATIC 300(以下IDIOMATIC300)」をすごく簡単に言うと「DUO形式のフレーズ版」です。
例文の中に重要なフレーズが盛り込まれている形式です。
特に重要視されているのが「文章としてよくある形」や「ネイティブにとって自然と感じられる単語の組み合わせ」です。
そのような「コロケーション」を学べるのが本書になります。
当ブログでも、よくある言い回しなどを「フレーズタグ」にまとめていますが、そのようなものを例文に落とし込んだイメージです。
英語は暗記
本書に「英語は暗記が9割」と「やっぱり英語は暗記が10割」という文言が書いてあります。
英語は「決まった形を知る」というのが非常に重要な要素です。
決まった言い回しさえ覚えてしまえば、英作文でもスピーキングでも使うことができ、リスニングでも「カタマリ」として処理できます。
本書には、そのようなよく使われる言い回しや決まった形が沢山載っています。
また、私の場合、「過去に覚えた単語帳の例文が実はよくあるパターンだった」ことや「実はよくある形の応用だった」という発見が結構ありました。
そのため、ある程度英語を勉強している方の方が「読み物としての楽しみ」はあるかもしれません。
300の例文
「IDIOMATIC 300」の300は例文の数です。
300個の例文に対してこの厚みです。
例文とその解説以外に、類似の表現、関連フレーズ、上級者向けコラム(入試問題、映画、小説から取られた例文)が充実しており、情報量が非常に多いです。
そして巻末には別冊問題集が付いています。
特典PDF
特典のPDFでは、本に載せきれなかった補足説明や例文の文法解説などを見ることができます。
本書の14ページに載っているURLまたはQRコードから、音声と共にダウンロード可能です。
英語学習者向け
タイトルには「大学入試」と書かれていますが、入試だけではなく英語という言語の学習者に対応しています。
何故なら、受験に限らず英語を学ぶ上で知っておくべきフレーズの宝庫だからです。
どちらかというと文章で使われる表現がメインなので、読み書きに使える知識が多いですが、会話でも使えるものも多数あります。
IDIOMATIC300の使い方
本書はとにかく情報量が多いため、1周目は例文の意味を取れるようにします。
・英文を見ずに音声を聞く
↓
・英文を見ながら音声を聞き、意味の取れなかった部分や聞き取れなかった部分を確認
↓
・解説を読む
↓
・英文を見ずに音声を聞き、意味が取れるか確認
↓
・できたら次の例文へ
このように、1周目は例文の意味をメインに取り組み、関連フレーズなどは軽めに触れる程度にしていきます。
ポイントは「知らなかった表現を知っている表現にする」ことです。
2周目以降は、例文の表現を復習しつつ、関連フレーズやその他の表現もチェックしていきます。
また、日本語訳を見て英訳するのもおすすめです。
10例文を復習しながら進める
1日10例文(計30日)で1周できるようになっているので、前日の復習をしながら次に進むのがおすすめです。
【1日目】
・DAY1の10例文をやる
【2日目】
・DAY1の復習
・DAY2の10例文をやる
【3日目】
・DAY2の復習
・DAY3の10例文をやる
このように、前日の復習をしながら進めることで、頭に残りやすくなります。
1周で完璧にしようとしない
ポイントは周回する前提で学ぶことです。
1周で覚えようとしても、必ず忘れます。
単語帳と同じように、何周も何周もしながら刷り込んでいく方が、最終的には効率的になります。
別冊問題集は文字通りの「穴埋め」
付属の別冊問題集の前半は、本書の例文が穴埋め形式の問題になっています。
ヒントはありますが、選択肢がなくても答えられる問題です。
言い換えると、よくある言い回しなので、ネイティブにとっては選択肢がなくても分かる穴埋め問題です。
後半のDAY21以降は並べ替え問題になっており、こちらはヒントはありません。
別冊問題集は、各例文の復習として使ってもいいですし、各例文の最後の仕上げとしても使えます。
使用上の注意点
単語ではなくフレーズがメインなので、単語の意味は載っていません。
そのため、最低でも高校レベルの単語や文法の知識が無いと、フレーズではなく単語や文法の勉強になってしまいます。
ただ、例文や単語そのものは難しくないため、一般的な単語帳を進めている方なら適度に調べる程度で済むと思います。
まとめ
「IDIOMATIC 300」は、よくある言い回しや単語の組み合わせに焦点を当てた画期的な書籍です。
英語学習者なら知っておくべき表現ばかりが載っているため、やり遂げれば必ず力になるはずです。
ただ、情報量が多いので、「完璧に覚えておくべき表現」、「見たら(言われたら)分かる表現」、「スピーキングで使える表現」など、意識的に分けて学んでいくのがおすすめです。
全てを吸収しようとすると相当なパワーが必要になりますが、そもそも「そのフレーズや言い回しを知っているかどうか」で違いが生まれてきます。
また、「これIDIOMATIC300にあったな……」という記憶さえあれば、辞書的な使い方もできるようになるので、使い方は無限大です。