- must は「現在の推量」を表す
- 「must be +動詞のing」の意味
- 「must +動詞の原形」の形
- 「~だったに違いない」は「must have +過去分詞」
- 「must」は「未来の推量」には使えない
- must と should の違い
- 否定形は「can't」になる点に注意
- 過去形は「can't have +過去分詞」
- 「couldn't have +過去分詞」の意味
- can't と shouldn't の違い
- 推量と義務の見分け方
- まとめ
must は「現在の推量」を表す
「must」は「義務(~しなければならない)」の意味以外に「~に違いない」という「推量」の意味でも使われます。
注意点は、「現在の推量」により、そう確信していることを表す時に使われるという点です。
言い換えると「何らかの根拠があるから、そうだと判断できる」になります。
You must be Nick.
ニックさんですよね。
これは初対面の相手の確認をする時によく使われるフレーズです。
その時の状況から「あなたはニックであろう」ということを推量し、そうであると確信しています。
次の文も同様です。
You must be hungry.
お腹が減っているに違いない。
She must be busy.
彼女は忙しいに違いない。
He must be tired after working all day.
一日中働いた後で彼は疲れているに違いない。
これらも「きっとあなたはお腹が減っているだろう」「きっと彼女は忙しいだろう」「一日中働いた後だからきっと疲れているだろう」と判断していることになります。
いずれも「現在の状況などから、そうに違いないと考えられる」という確信のある推量を表します。
『サイレントヒルf』の例文

It must be hard for you to bid farewell to childhood friends.
直訳だと「子供時代の友達(幼馴染)に別れを告げるのはあなたにとって辛いに違いない」。
そして、今の状況を見て「そうに違いないでしょう」と言っているセリフです。
「bid farewell」の意味は「別れを告げる」です。
「must be +動詞のing」の意味
「must be +動詞のing」の形で「(今現在)~しているに違いない」となります。
He must be working.
彼は働いているに違いない。
彼はきっと働いている。
You must be joking!
冗談でしょ!?
※直訳だと「あなたは冗談を言っているに違いない」
I can hear the television in Bill's room. He must be watching the baseball game.
ビルの部屋のテレビの音が聴こえてくる。彼はきっと野球の試合を見ているのだ。
(引用:ジーニアス総合英語 第2版 p135)
「must +動詞の原形」の形
「must +動詞の原形」にもなりますが、主に状態動詞が続きます。
He must like you.
彼はあなたのことが好きに違いない。
He must know the truth by now.
彼は今頃は真実を知っているに違いない。
She must live a very boring life.
彼女はとても退屈な人生を送っているに違いない。
「~だったに違いない」は「must have +過去分詞」
「~だったに違いない」は「must have +過去分詞」の形になります。
これも(現在から見て)そう推量できる根拠がある場合に使われます。
He must have been tired last night.
昨夜、彼は疲れていたに違いない。
He must have forgotten about it.
彼はそのことを忘れていたに違いない。
She must have dropped the key somewhere.
彼女は鍵をどこかで落としたに違いない。
(引用:コーパスクラウン総合英語 p134)
「must」は「未来の推量」には使えない
「must」は現在の推量を表すため、「~に違いないだろう」という未来の文脈では使えません。
そのため、他の助動詞を使って表現する必要があります。
I will be tired tomorrow.
明日は疲れているだろう。
She should arrive soon.
彼女はすぐ着くはずだ。
It's highly likely to rain tomorrow.
明日は雨が降る可能性が高い。
must と should の違い
「should」も「~のはずだ」という高い推量を表します。
ただし、「should」は根拠がなくても使うことができます。
She should be back home by now.
彼女は今頃は家に帰っているはずだ。
この文は、あくまで話し手が「家に帰っているだろうと考えている」だけで、明確な根拠がない可能性があります。
そのため、「~に違いない」ではなく「~のはずだ」という日本語訳になります。
一方、「must」は「そう推量できる根拠が必要」になります。
この点において、コーパスクラウン総合英語には次のように載っています。
must は「…に違いない」という話し手の主観に基づく確信のある推量を表す。
そのような推量ができるはっきりとした根拠がないと使えないことに注意(「…のはずだ」)という意味の should なら根拠がなくても使える。
(引用:コーパスクラウン総合英語 p126)
『FFT』の例文

Where are you, Mustadio? He should've been here by now.
「どこにいる、ムスタディオ? 彼は今頃ここにいるはずなんだけど」
こちらは完了形で「今頃はここに来ているはずだった(のに、まだ来ていない)」を意味しており、「(過去の時点で)来ているはずだ」となります。
否定形は「can't」になる点に注意
推量の「must」の否定形は「can't」になります。
何故なら、「must not」にしてしまうと「~してはいけない」という義務の否定になるからです。
そのため、推量の否定(~のはずがない)は「can't」にしなければなりません。
※書き言葉だと「cannot」とも書かれます
主に「be動詞」が続き、現在進行形でも使われます。
That can't be true.
それが本当のはずがない。
He can't be poor.
彼が貧乏なはずがない。
That can't be his mother.
あれが彼の母親であるはずがない。
Joey Zasa. He can't be doing this alone.
ジョーイ・ザザ1人の仕事ではない(日本語字幕)
※直訳は「彼がこれを一人でやっているはずがない」
(引用:映画『ゴッドファーザー PART III』)
「couldn't be」でもほぼ同じ意味
「can't be」と「couldn't be」はほぼ同じ意味です。
これは過去の話ではなく、推量の強さが異なります。
・can't be → 「はずがない」と、より確信的
・couldn't be → 「はずがないだろう」で、推測が含まれる
過去の「~だったはずがない」は、後述する「can't have +過去分詞」または「couldn't have +過去分詞」の形になります。
文法的には「可能性の否定」
文法的には「可能性の否定」とも言います。
先ほどの「It can't be true.」なら「それが本当である可能性がない」になり、そこから「本当であるはずがない」となります。
そのため、「must not = 義務の否定」と「can not = 可能性の否定」と分けて考えることもできます。
過去形は「can't have +過去分詞」
「~だったはずがない」は「can't have +過去分詞」の形になります。
こちらも「そう考えられる何らかの根拠がある」というニュアンスが含まれています。
It can't have been easy.
簡単だったはずがない。
He can't have been tired last night.
昨夜、彼が疲れていたはずがない。
「couldn't have +過去分詞」の意味
「couldn't have +過去分詞」は「can't have +過去分詞」と意味的にはほぼ同じです。
ただし、「couldn't have +過去分詞」の方が「~できたはずがない」や「~できなかっただろう」という軽めの推量を表します。
She couldn't have done it by herself.
彼女一人でそれをできたはずがない。
I couldn't have done it without your help.
あなたの助けがなければできなかっただろう。
I couldn't have left it at work because I had it on the train home.
職場に置き忘れたということはないはずだ。帰りの電車では持っていたから。
※「can't have left it」でも意味的には同じ
(引用:ENGLISH EX p218)
can't と shouldn't の違い
「shouldn't」も「~のはずがない」という否定の意味で使われます。
「can't」は先述のように「可能性の否定」を表し、「はずがない」という強い否定になります。
一方、「shouldn't」は「~ではないはずだろう」という軽めの推量になります。
例文
That shouldn’t be too hard.
そんなに難しくないはずだ。
He shouldn’t be late.
彼は遅れないはずです。
They shouldn't mind at all.
彼らは全然気にしないはずです。
It shouldn't take long to find him.
彼を見つけるのに時間は掛からないはずです。
FF7Rの例文

I can't stop thinking about it. The bomb I made shouldn't have produced an explosion that big.
「どうしても考えてしまう。私が作った爆弾があんなに大きな爆発を引き起こすはずがなかった」
ここでは「shouldn't have +過去分詞」という過去の推測になっており、そこから「あんなに大きな爆発を引き起こすはずがなかったんだけど」となります。
「can't stop +ing」は「どうしても~してしまう」や「~せずにはいられない」です。
ちなみに、日本語版は「クラウド SOS ドキドキが止まらないの やっぱり八番街の被害が大きすぎる」となっています。
推量と義務の見分け方
「must」が推量なのか義務なのかは、文脈で見分けるしかありません。
ただ、英文を沢山読むと、「違いない」なのか「しなければならない」なのかは自然と判断できるようになっていきます。
これは「can't」「should」「shouldn't」も同じく、「できない」「すべき」「すべきではない」の意味もあるため、結局は文脈次第になってしまいます。
まとめ
・「must」は「~に違いない」という「推量」の意味でも使われる
・「現在の状況などから、そうに違いないと考えられる」という「現在の確信のある推量」を表す時に使われる点に注意
・言い換えると「何らかの根拠があるから、そうだと判断できる」
・「must be +動詞のing」で「(今現在)~しているに違いない」
・「must +状態動詞」で「~に違いない」
・「~だったに違いない」という過去の推量は「must have +過去分詞」
・「should」も「~のはずだ」という高い推量を表し、根拠がなくても使うことができる点が異なる
・「must」は現在の推量を表すし、「~に違いないだろう」という未来の文脈では使うことができないため、「will」「should」「be likely to」など他の助動詞を使って表現する必要がある
・推量の否定(~のはずがない)は「can't」になり、主に「be動詞」が続く
・書き言葉だと「cannot」とも書かれる
・「must not = 義務の否定」と「can not = 可能性の否定」
・「shouldn't」も「~のはずがない」という否定の意味で使われるが、「~のはずだろう」や「~ではないだろう」という軽めの推量を表す
・「~だったはずがない」は「can't have +過去分詞」
・「couldn't have +過去分詞」と「can't have +過去分詞」は意味的にはほぼ同じだが、「couldn't have +過去分詞」の方が「~できたはずがない」や「~できなかっただろう」という軽めの推量を表す