映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の原題は『Harry Potter and the Prisoner of Azkaban』です。
前作(→『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で英語の勉強)に引き続き、セリフをピックして紹介していきます。
※ネタバレはありません
※セリフは時系列順に並んでいます
- What's he got to do with me?
- How is it she knows everything?
- Let me get this straight.
- What a load of rubbish.
- rumor has it
- you'd have given your father a run for his money.
- If you don't mind, I would appreciate it if you could lower your wand.
- I am astounded that I didn't hand it in.
- Where do you suppose this goes?
- They're so longing to see you.
- seeing as you can't walk
- He'll conjure the Patronus.
- It seems that somebody let slip the nature of my condition.
- How fast is it, Harry?
- I solemnly swear that I am up to no good.
- まとめ
What's he got to do with me?
But what's he got to do with me?
僕に関係が?
シリウス・ブラックの話が出た時のハリーのセリフです。
「have something to do with 〜」の意味は「~と関係がある」です。
something が省略された「have to do with」の形でも使われます。
これがイギリス英語だと「have got to do with」になります。
そして、ここより少し後のシーンにも出てきます。
Has this anything to do with
Has this anything to do with Sirius Black, sir?
シリウス・ブラックに関係が?
「anything」は「何か(関係がありますか)」です。
更に少し後にも出てきます。
You don't think that Grim things got anything to do with Sirius Black?
グリムとブラックは関係が?
How is it she knows everything?
How is it she knows everything?
なぜ知ってる?
何でも知っているハーマイオニーに対するロンの疑問です。
「How is it」は強調構文で、「どうして知ってる?」ではなく、「知っているのはどうして?」と「How」を強調させた形です。
Let me get this straight.
Let me get this straight.
Sirius Black escaped from Azkaban to come after you? HARRY.
つまり―ブラックが君を狙ってるのか?
いつもの3人で電車移動している時のロンのセリフです。
「Let me get this straight.」には「話を整理させて」や「つまりは」という意味があり、このように話の前置きの言葉として使われます。
「come after ~」は「~の後を追う」や「~を探す」です。
What a load of rubbish.
What a load of rubbish.
バカみたい
占い学受講中のハーマイオニーのセリフです。
「rubbish」はイギリス英語で「ゴミ」ですが、「ばかげたもの」や「くだらないもの」という意味もあります。
「a load of」は「a lot of」のイギリス英語版です。
それが感嘆文と合わさることにより「なんて馬鹿げたものかしら」となります。
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・a load of rubbish ってどういう意味? a load of の意味とは
rumor has it
A talent, rumor has it, he passed on to you.
噂では君はその才能を受け継いだらしいね
ルーピン先生がハリーの両親について語るシーンです。
「rumor has it」は「噂によると」という意味があります。
よく使われる形は「Rumor has it+that節(噂によると~だ)」ですが、ここでは文中に挿入されています。
「pass on to ~」は「~を与える / 譲る」や「~を伝える」です。
ここの「he」はハリーの父親のことを指しています。
直訳すると「才能、噂によると、彼(父)はあなた(ハリー)に与えた」で、そこから日本語字幕は「噂では君はその才能を受け継いだらしいね」となります。
you'd have given your father a run for his money.
I think you'd have given your father a run for his money.
驚いたよ 君の力はお父さんも顔負けだろう
ハリーがルーピン先生に「エクスペクト・パトローナム」を習うシーン。
「give ~ a run for one's money」には「~に匹敵する」や「~と激しく競う」という意味があります。
あくまで「匹敵」であって、まさってはいないので注意です。
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・give ~ a run for one's money の意味と使い方。その正しいニュアンスとは?
If you don't mind, I would appreciate it if you could lower your wand.
If you don't mind, I would appreciate it if you could lower your wand.
杖を下ろしていただけませんか?
夜中に徘徊するハリーを見つけたスネイプ先生。
スネイプ先生の杖から発する眩しい光を浴びているハリーのセリフです。
「If you don't mind」は「もしよろしければ」。
「I would appreciate it if you could」は「~して頂けませんか?」という丁寧な質問の仕方で、いずれも丸暗記フレーズになります。
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・「I would appreciate」の意味と使い方。「I appreciate it」との違いとは?
I am astounded that I didn't hand it in.
…but quite frankly, I am astounded that I didn't hand it in.
しかも学校側に提出しなかったとは驚きだ
ハリーから魔法の地図を没収したルーピン先生のセリフです。
「quite frankly」の意味は「率直に言って」で、日本語と同じく文頭に置かれます。
「astound」は「~を驚かせる」という意味で、「amaze」や「astonish」と意味と使い方は同じです。
ただし、astound の方が驚き具合は強めになります。
【əstáund
Where do you suppose this goes?
Where do you suppose this goes?
この穴はどこへ?
ロンが犬に引きずり込まれて行った穴に入ったハリーとハーマイオニーのセリフです。
「Where does this goes?(これはどこに続いている?)」に「do you suppose(思いますか?)」が挿入された形です。
そこから、意味は「これはどこに続いていると思いますか?」となります。
意味と使い方は文中の do you think と同じです。
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・例文で学ぶ「Do you think」を文中に入れる使い方【文頭に置ける形と置けない形】
それに対し、ハリーは次のように答えます。
I have a hunch.
I have a hunch.
あそこだと思う
「hunch(ハンチ)」は「勘」や「予感」という意味があります。
つまり、「勘だけど、あそこだと思う」というニュアンスのセリフです。
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・「I have a hunch」の意味とは【hunch の2つの意味】
They're so longing to see you.
They're so longing to see you.
血眼でお前を捜しているしな
某氏と対峙するスネイプ先生のセリフです。
「long to do」には「~することを切望している」という意味があります。
形容詞「long」とは同じ語源を持ちます。
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・動詞「long」を使った「long to」と「long for」の意味と使い方|long の語源とは?
seeing as you can't walk
Sorry, Ron, but seeing as you can't walk…
歩けない人は待ってて
足を怪我したロンに対するハーマイオニーのセリフです。
「seeing as」は「since(~なので)」と同じ意味です。
ここでは「seeing as you can't walk. =あなたは歩けないので。(だから待ってて)」となります。
He'll conjure the Patronus.
My dad will come. He'll conjure the Patronus.
大丈夫 父さんが来てパトローナスを呼んでくれる
父さんらしき人に助けられた後のハリーのセリフです。
「conjure」の意味は「~を呼び出す」で、ここではパトローナス(守護霊)が目的語に置かれています。
また、そのような単語のイメージから、「(記憶・イメージなど)を思い起こす」という意味もあります。
【kʌ́ndʒər】
It seems that somebody let slip the nature of my condition.
It seems that somebody let slip the nature of my condition.
誰かが私の正体をバラしてしまってね
「It seems that +文」は「文以下のようだ」で、意見や推測、仮説を述べる時に使われます。
「let slip ~」には「(秘密など)をうっかり漏らす」や「~だと口を滑らす」という意味があります。
「the nature of my condition」は「私の状態の性質 / 本質」ですが、ネタバレになるのでセリフの主の言及を控えておきます。
How fast is it, Harry?
How fast is it, Harry?
飛んでみて!
新しいホウキを手に入れたハリーにハーマイオニーが掛けた言葉です。
「How + 形容詞」は「どのくらい」を表します。
そこから、「How fast is it?」は直訳だと「どのくらい速いの?」となります。
「How old are you?」も同じパターンです。
これは応用が可能な便利な文法なので、こちらの記事も合わせてご覧ください。
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I solemnly swear that I am up to no good.
I solemnly swear that I am up to no good.
”よからぬことを企む者”
映画最後に出てくる文です。
「solemnly swear」は一つのカタマリで「厳粛に誓う」や「強く誓う」という意味になります。
日本語的には「固く誓う」が近いです。
「up to」は様々な意味がありますが、その中に「企む」があります。
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・「What are you up to」の4つの意味と使い方【up to が「企む」になる理由】
まとめ
映画三作目である『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。
メインキャラクターが大人になっているからか、一作目と二作目よりもリスニングが難しくなっていきます。
ハーマイオニーはハキハキ喋るそのキャラクターから、英語の聞き取りが楽な方です。
が、ハリーとロンのセリフはかなり難しいものも含まれます。
日本人はアメリカ英語に慣れているのもあり、イギリス英語は難しく感じる部分も多いです。
しかし、だからこそ発音の多様性の勉強になります。
次作はこちら。
・映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のセリフで英語の勉強