「SHERLOCKで身につく英文法」は、ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』を元にした文法解説本です。
例文は全てドラマ内のセリフ(シーズン1~シーズン4+忌まわしき花嫁)から取られています。
そのセリフや会話を例文にして文法解説をしている構成です。
よって、受験用の英語ではなく、リアルの英語を使って勉強がしたいという方に最適な書籍となっています。
※『SHERLOCK』を見たことがない人でも学べる内容です
SHERLOCKで身につく英文法の特徴
本書の特徴は、文法解説のための例文ではなく、文法を解説するための例文を実際のセリフから取ってきている所です。
簡単に言うと、「生きた英語を元に文法を学べる」です。
例文は単文だけではなく、会話が多く登場するのも特徴の1つです。
よって、文法の部分だけではなく、それ以外の会話部分も勉強になります。
セリフがドラマの何分何秒に出てきたのかも載っているので、DVDを持っている方やサブスクで見れる方は、そのシーンを簡単に探すことができます。
全12項目
全12項目に分かれています。
・時制
・受動態
・文の種類、構文
・動詞、助動詞
・冠詞、名詞、代名詞
・形容詞、副詞
・接続詞、前置詞
・疑問詞
・関係詞
・不定詞、分詞、動名詞
・仮定法
・比較、否定
このように、基本的な文法を学べるようになっています。
全344ページ
全344ページあり、厚さだけなら一般総合英語と同じくらいあります。
内容は初中級者~中級者向け
・「英語の基本を『SHERLOCK』で総復習」がコンセプト
・基礎知識がある方が理解が進む
・実際のセリフなので例文や単語が難しめ
・口語的な表現が多い
以上のことから、完全な英語初心者の方には難しい内容となっています。
ただし、
・既に英語の勉強を始めている
・現在文法を学んでいる
・文法をやり直したい
という方の補助教材として使うことができます。
特に文法のニュアンスをイメージして学べるのがいい点であります。
次は完全な英語初心者には難しい理由(内容の一例)を見てみます。
内容の例
以下は、時制の「現在進行形」に載っている1つ目の例文です。
シャーロック:Sherlock is actually a girl's name.
実はシャーロックは女の子の名前なんだ。
ジョン:It's not.
違うよ。
シャーロック:It was worth a try.
やってみる価値はあっただろ[ダメ元で言ってみたんだ]。
ジョン:We're not naming our daughter after you.
僕たちは娘に君の名前は付けないよ。
シャーロック:I think it could work.
いい感じに行くと思うんだがな。
(引用:p46)
これは「近い未来の予定を表す現在進行形」の例文です。
焦点は「We're not naming our daughter after you.(僕たちは娘に君の名前は付けないよ)」にあります。
解説(の一部抜粋)には、
現在進行形は「~している(ところである)という意味だと最初に習いますが、「~している」と訳してしまうと、しっくりこない場合があります。
(略)
現在進行形には「今・現在~している・やっている」以外に、「決まっている近い将来の予定」を表す用法があり、この場合は「娘に君の名前を付ける予定はない」ということから、「付けるつもりはない」という強い意志を示すことにもなります。
(引用:p46~47)
とあります。
このように、「現在進行形=~している」という前提知識があった上で「こういう使い方もあります」という解説が1つ目の例に来ている箇所があるからです。
「~している」という意味の現在進行形の例文は載っていません。
また、それ以外のセリフに使われている全ての単語の意味や文法解説をされているわけではありません。
そこが完全な初心者向けではない理由です。
先述のように、コンセプトの1つが「英語の基本を『SHERLOCK』で"総復習"」の書籍だからです。
総合英語のような細かい部分は載っておらず、重要ポイントだけまとめられています。
英語知識があればより楽しめる
本書は基本的な英文法の意味やニュアンスを実例を通して楽しみながら学ぶための書籍です。
しかし、先述のように、最低限の英語知識は求められます。
逆に言えば、基本の上に知識や英語力をプラスすることができます。
そして、例文が実際のセリフという点が最大のメリットです。
口語を学ぶことは、海外ドラマや洋画のリスニングにも役立ちます。
内容の一部を Amazon の内容紹介で見ることができるので、そちらも合わせてご覧ください。