楽器に「the」は要らない?
私を含め、英語の授業で「楽器の前には the を付ける」と習った方が多いと思います。
しかし、これは「付けなければ間違い」というわけではありません。
主に、既に楽器や音楽について話している時には省略されることが多々あります。
Can you play any instruments?
I play guitar.
↓
何か楽器弾ける?
ギターを弾くよ。
この文は学校のテストだとバツにされそうですが、「the なし楽器」は一般化されて使われている英語です。
ただし、どちらかというと、アメリカ英語に顕著です。
※イギリス出身の方でも the を付けない人を見かけることがあります
ちなみに、デヴィッド・ボウイの『Ziggy Stardust』という曲の出だしは「Ziggy played guitar.」となっています。
楽器によって頻度が異なる
興味深いのは、楽器によって the の有無の頻度が異なる点です。
言い換えると、「the を付けない方が一般的になっている楽器がある」になります。
「the なし」の代表格がギターやドラム(drums)です。
しかし、ピアノやヴァイオリンの場合は「the あり」の方が使用頻度としては高くなっています。
ただ、近年では「play piano / play violin」の使用も増加しており、今後も「the なし」が増えることが予想されます。
これは私の推測ですが、ギターやドラムなどのバンド的な楽器よりも、ピアノやヴァイオリンなどのオーケストラ的な楽器の方が「the あり」の傾向が未だに強く残っているのではと思っています。
言葉の変化
「楽器の前には the を付ける」と習うのは、間違いではありません。
何故なら、元々は「the +楽器名」の形が一般的だったからです。
しかし、時代と共に「the なし楽器」の用法が増加していきます。
これは時代と共に変わる言葉の変化の一例だと考えられます。
楽器に「the」が必要なとき
「the」を付けるパターンは主に2つあります。
・「そのギター」や「そのピアノ」と特定の楽器を指すとき
・正式な文章で書くとき
文脈的に特定のものを指す「the」が必要な時に「the 楽器」になる傾向があります。
これは冠詞の役割が強く出ています。
また、フォーマルな文章では付けた方が無難ですが、カジュアルな場面ではやはり省略されがちです。
極論は「会話ではどっちでもいい」
「I play guitar.」と「I play the guitar.」はどちらも間違いではありません。
よって、「○○を演奏する」と言いたい場合は「どっちでもいい」ことになります。
ただし、先述のように、冠詞の「the」のニュアンスが必要な場合には「the」を付けて明確にした方が無難です。