・TOEICとは何か
・TOEICを受けたいけど、何をすれば良いか分からない場合
・TOEIC初心者の勉強法
・勉強の方向性
・効率的な学習ができるレベル別のTOEIC用教材
この記事を読めば、TOEIC初心者が勉強を始める前に知っておくべき情報と効率的な学習ができる参考書が分かります。
- TOEIC初心者の対策と勉強の方向性
- TOEIC用の語彙対策
- TOEICの難易度や傾向は変わる
- TOEICの書籍が「600点」を目安にしている理由
- 600点を目指す初心者向け教材
- 600点以上を目指す方の参考書
- TOEICを運営するETSとは
- まとめ
TOEIC初心者の対策と勉強の方向性
TOEIC初心者がやるべきことは「問題の形式を知ること」です。
TOEICにはTOEICの試験形式があります。
初めてTOEICを受ける場合、どのような形式なのか、どのような流れなのかを知っておかないと、時間に追われて混乱してしまいます。
TOEIC対策の最初の段階は形式対策とも言えます。
TOEICの設問を知るのもTOEICの勉強に含まれます。
そのため、英語勉強中の方で初めて受ける場合は、TOEICの試験について書かれているTOEIC初心者向けの本。
英語に自身のある方は、最初から模試形式の本で勉強するのが適切です。
TOEIC用の語彙対策
もう1つは「TOEIC用の語彙対策」です。
TOEICに出てくる英単語はビジネス寄りで、受験英語ともまた違います。
TOEICの点数を上げるには、TOEIC用の語彙の勉強は必須です。
そして、それらに沿った勉強法や教材を使うことで、効率的に学ぶことができます。
TOEICの難易度や傾向は変わる
TOEICの問題の難易度や傾向は、時間と共に少しずつ変わっていきます。
よく言われるのが、「以前より難しくなった」です。
突然急激に難しくなったわけではなく、ジリジリと難易度が上がっている感じです。
最近では、選択肢などの傾向が新しくなった部分もあります。
よって、古い出版の書籍はあまり役に立たないという注意点があり、TOEICの勉強を始める際にも、必ず新しい書籍で学ぶ必要があります。
TOEICの書籍が「600点」を目安にしている理由
TOEIC関連の書籍のタイトルや目安として、よく「600点」と書かれています。
ここ数年のTOEICの平均点は580点台です。
600点は1つの区切りだけではなく、平均を超えるという意味も込められていると思われます。
600点を目指す初心者向け教材
以下の3つの書籍は、有名かつ効率的に学べる初心者向け参考書です。
・TOEIC L&R TEST 入門特急 とれる600点
・はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略
・TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
まずはこれらの書籍でTOEICの内容や語彙の傾向を学ぶことからスタートします。
次は各詳細を見ていきます。
TOEIC L&R TEST 入門特急 とれる600点
「TOEIC L&R TEST 入門特急 とれる600点」はTOEICを受けたことがない初心者向けの書籍です。
何故なら、TOEICとは何かという所から始まり、受験料や禁止事項、申し込み方法、試験に必要なものなど、TOEICについての基本情報が詰まっているからです。
それから、各パートの問題形式、出題傾向や対策を解説しつつ、基本問題と実践問題に触れていきます。
そのため、TOEICという試験のイメージができ、勉強の方向性やTOEICの雰囲気を知ることができます。
本書は、TOEICに興味があるけど、どういう試験なのか知りたいという方のための「入門」に相応しい構成になっています。
この特急シリーズは新書サイズかつ値段が1000円前後というのもポイントです。
はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略
「はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略」はタイトル通り、初心者向けのTOEIC総合対策本です。
こちらも「TOEICとは」から始まり、試験当日までの流れが載せられています。
各パートの形式と解説、攻略法や出題ポイント、解法テクニック、頻出語彙と表現などの要点がまとめ。
そして本番形式の模試も付いています。
※音声CDは音楽用CDプレイヤーで再生できないのでご注意下さい
よって、TOEICの勉強は何から始めればいいか分からない方や、どんな勉強をすればいいのか分からない方に最適な教材です。
一応、攻略ポイントは600点と730点以上に設定されていますが、この1冊だけで730点以上を取るには、それなりの英語の基礎力が必要です。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
「TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」はTOEIC対策用の英単語帳です。
著者は「入門特急 とれる600点」と同じTEX加藤氏で、入門特急から銀のフレーズに移行するのは1つの流れになっています。
TOEICにはTOEIC用の語彙が必要ですが、本書はその頻出単語の基礎が網羅されています。
後述する金のフレーズと合わせて、TOEICの語彙を大方カバーできるTOEICの鉄板英単語帳です。
銀のフレーズのレベルは、基礎的な単語に不安のある方や、600点を目指す方が対象です。
TOEICからは外れますが、このレベルはスピーキングの語彙集としても使うことができます。
600点以上を目指す方の参考書
英語力が上がって600点以上を目指せるようになった方や、元々一定の英語力がある方は、中級以上の参考書を使います。
ここからは上級語彙や問題のピンポイント対策、そして実践形式の問題集も織り交ぜていきます。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ」は金銀シリーズの1つです。
金のフレーズと銀のフレーズの違いは、難易度の違いです。
金のフレーズは600点~990点まで幅広くカバーしており、基礎固めをした後に何を選ぶか迷った時はこの1冊です。
銀のフレーズは基礎固め編という位置付けにあるため、もし金が難しければ銀を先にやるのをおすすめします。
逆に、他の単語帳などを使っていて既に一定の単語力がある方は、銀をやる必要性はそこまでないと思います。
ただし、このシリーズはTOEICで出やすい意味や類語が載っているのがポイントの1つです。
旧版と改訂版との違いは、新形式に対応しているかどうかの違いです。
改定に伴い、見出し語も多数変更され、表現なども追加されています。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス
「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス」は、金のフレーズの例文版です。
金のフレーズ+αの1500語が360の例文に含まれている、いわゆるDUO形式と呼ばれる構成です。
金のフレーズで覚えたものを金のセンテンスの例文で触れて記憶の定着をはかる使い方もできます。
流れとしては金のフレーズ→金のセンテンスですが、既にある程度の単語力がある場合は、こちらから始めても問題ありません。
また、熟語版の「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金の熟語」があります。
こちらは基本的な熟語から載っていますが、金のフレーズと被る部分も多く、更に深掘りしたい場合にはこちらも併用するのが良いと思います。
更に、「TOEIC L&R TEST 出る問特急 金の文法」という文法に焦点を当てた書籍も発売されました。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」はTOEIC用の英文法問題集です。
タイトル通りの問題量と、金・銀フレーズのTEX加藤氏による質が合わさった本。
文法問題集で迷ったらこれと言える1冊になっています。
本書の特徴として、答えだけではなく、何故他の選択肢が間違いなのかが書いてあります。
TOEIC系問題集は正解だけ書いてあることもチラホラあるのが難点なので、そこをカバーしてあります。
また、音声もダウンロード可能なのも欠かせない要素です。
ALL IN ONE TOEIC テスト 音速チャージ!
「ALL IN ONE TOEIC テスト 音速チャージ!」はTOEIC頻出の単語・熟語・文法・語法が1つの例文に複数詰まっています。
特徴は、それらが1冊の中で完結する all in one です。
・全251の英文パート
・Words&Usage という多義語、頻出設問文、語い・語法、接頭辞・接尾辞パート
・Grammer(文法の整理)の解説パート
全3パート構成になっています。
もう1つの特徴は読み下し訳(英語の語順通りの訳)と意訳の両方が付いている点です。
音声も30分で1周でき、発音はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの4ヵ国の方が務めているため、リスニング教材としても最適です。
目安は730~860点を取りたい方向けに設定されていて、英文のレベルは少なくとも簡単ではありません。
all in one とはいえ、基本的な単語や文法+αを既に習得している前提です。
中身のサンプルはAmazonで見ることができます。
(ALL IN ONE TOEIC テスト 音速チャージ!(Amazonリンク))
音声はダウンロード式ですが、先にアプリをダウンロードする必要があります。
(https://www.aio-english.net/toeic2/download.html)
また、youtube でも音声動画を聞くことも可能で、文法の補足も動画で解説されているのが他にない本書の特徴です。
youtube で見ることができる動画は以下のサイトに纏められています。
(https://www.aio-english.net/toeic2/youtube.html)
公式TOEIC Listening & Reading 問題集9
「公式TOEIC Listening & Reading 問題集9」は本物のTOEICと同じプロセスで製作された本番形式の公式問題集です。
出版が2022年の10月と新しく、しばらくはこの問題集9がメインになります。
問題集は点数を高めるには通れない道です。
本書には付属CDが付いており、実際のリスニングパートの感覚を得ることができます。
何より、ナレーターが本番と同じという、公式ならではの最大のメリットがあります。
使い方は「本番と同じように挑む」です。
そうすることで、問題の傾向と時間の感覚を掴み、自分の実力を知ることができます。
そして、間違えた問題を復習し、何故間違えたのかをきちんと把握します。
TOEICの本試験は、問題用紙を回収されてしまうため、持ち帰ることができません。
更に、問題用紙への書き込みも禁止されています。
よって、「試験慣れ」のトレーニングができ、きちんと復習できるのは公式問題集ならではです。
もし、既にある程度の英語レベルを持っているなら、この問題集から勉強を始めてもいいと思います。
公式HPに詳細とサンプルが載っているので、参考にしてみて下さい
(https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_08/pr.html)
TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問
「TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問」はTOEICの問題を再現した模試です。
公式問題集との違いは、解説の量です。
公式問題集よりも詳しい解説があり、何故これが正解なのか、何故これが間違いなのかを理解することができます。
そこが公式問題集よりも優れている点です。
また、模試が3回分入っているため、コストパフォーマンス的にも高くなっています。
試験に役立つ「必勝Tips」も載せられています。
難易度は公式とほぼ同じか、こちらが若干高めです。
他にも「TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+」があります。
至高の模試と究極の模試の違いは難易度の違いで、究極の模試の方が難しくなっています。
TOEIC(R) TEST 速読速聴・英単語 STANDARD 1800 ver.2
「速読速聴・英単語 STANDARD 1800」は速読速聴・英単語シリーズのTOEIC対策版です。
速読速聴・英単語シリーズについてはこちらの記事をご覧ください。
→速読速聴・英単語シリーズの使い方と勉強法。解説とレベル比較【万能英単語帳】
KIRIHARA Online Academy
「KIRIHARA Online Academy」とは、出版社「桐原書店」が監修するTOEIC・英検対策に特化した、初心者~中級者向けオンライン英会話です。
TOEIC・英検対策のための専用カリキュラムがあるのはオンライン英会話業界で初になります。
そして、所属する講師はオンライン英会話スクール「ワールドトーク」の日本人講師で、TOEIC・英検の指導実績があり、生徒の合格実績豊富な講師によるレッスンを行います。
使用する教材は桐原書店が開発したものになります。
・学校や昇進のために勉強しなければいけないけど、モチベーションが続かない
・決まった時間内で効率的に学びたい
・ある期間までに点数を上げる必要がある
このような場合は、プログラムに頼るのも勉強法の1つです。
公式HP
ワールドトーク
TOEICを運営するETSとは
最後に、TOEICの運営について触れておきます。
ETSとは「Educational Testing Service」の略で、TOEICだけではなく、TOEFLやGRE(アメリカやカナダの大学院に入るために必要な共通試験)などの問題を作成している非営利団体のことです。
180ヵ国以上で試験を実施し、従業員も3000人以上いると言われる、世界最大のテスト製作機関です。
本部はアメリカのニュージャージー州にあり、1947年に設立されました。
ただし、ナレーターが誰なのかや、どのような人がテスト作成しているかなど、試験に関することは秘密になっています。
まとめ
・TOEIC初心者はTOEICの形式を学ぶ
・TOEICで点を取るにはTOEIC用の語彙や知識が必要
・TOEIC頻出の語彙や問題を押さえて基礎固めをする
・自分のレベルに合った教材を使う
・TOEICは複数回受けることが前提
・既に英語の基礎があるなら、600点以上を目指す
たまに「TOEICの英語は日常では役に立たない」などという話があります。
が、TOEICの勉強をすると、英語のニュースが格段に読みやすくなります。
仮に日常で使わなかったとしても、ネイティブは知識として頭に入っています。
日本語でも、日常的に使う言葉と、ビジネスや小説やフィクション作品の言葉など、それぞれが違いますが、それぞれ知識として頭に入っています。
英語として存在している以上、役に立たない英語は存在しません。
役に立つ場所が違うだけで、英語に触れる生活をしていれば、必ず役に立つ場面は来るはずです。
それは実際、私自身が体感していることです。