tyrant の意味
名詞「tyrant」は「専制君主」「暴君」「独裁者」などと訳されます。
ここには、ほぼ必ず「残虐さ」や「悪名高い」というニュアンスが含まれています。
The king became known as a tyrant.
その王は暴君として知られるようになった。
読み方をカタカナにすると「タイラント」ですが、ゲーム『バイオハザード』シリーズでもお馴染みの敵でもあります。
スラング的な tyrant の意味
比喩的な意味での「暴君」としても使われます。
例えば、上司や親などが厳しすぎたり権力を振るうような場合に「tyrant」と表現することがあります。
これは日本語でも使われる暴君とほぼ同じニュアンスです。
He's always a tyrant.
彼はいつも横暴だ.
(引用:ウィズダム英和辞典 第4版)
My headmaster was a real tyrant.
校長はまさに暴君だった。
(引用:ロングマン現代英英辞典)
tyrant の語源
tyrant の語源は、「僭主」を意味する古代ギリシア語の「tyrannos(ティランノス)」に由来します。
そこから、英語の「tyrant(暴君)」に繋がります。
また、有名な恐竜であるティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)は、「tyrannos + sauros(ギリシア語でトカゲ)+ rex(ラテン語で王)」の組み合わせです。
形容詞形は「tyrannical」
形容詞「tyrannical」の意味は「専制君主の」や「暴君の」ですが、文脈によっては「暴虐な」や「非道な」とも訳されます。
【tirǽnikəl】
ちなみに、「独裁政治」などと訳されるのが名詞の「tyranny」です。
despot の意味とニュアンス
名詞「despot」の意味も「専制君主」「暴君」「独裁者」です。
しかし、「tyrant」とは違い、悪い意味で使われるとは限りません。
例えば、絶対的な権力を有している者が、その力を良い方向に使う場合です。
「tyrant」には、その「いい意味での力の行使」のニュアンスはありません。
The king was regarded as having been an enlightened despot.
その王は啓蒙専制君主であったと見なされていた。
(引用:Cambridge Dictionary)
despot の語源
「despot」の語源は、「主人」「支配者」「力を持つ者」という意味の古代ギリシャ語の「despotes」に由来します。
そこから、「専制的な支配者」の意味でも使われるようになります。
また、「独裁体制」や「独裁主義」のことを「despotism」と言います。
まとめ
・名詞「tyrant」は「専制君主」「暴君」「独裁者」
・必ず残虐さや悪名高いというニュアンスが含まれる
・比喩的な意味の「暴君」でも使われ、上司や親などが厳しすぎたり権力を振るうような場合に「tyrant」と表現することがある
・形容詞形は「tyrannical」
・名詞形は「tyranny」
・名詞「despot」は「専制君主」「暴君」「独裁者」
・「権力を良い方向に振るう」のニュアンスでも使われるのが「tyrant」との大きな違い