- can't help but do の意味と使い方
- can't help but do の言い換え表現
- can't help but do と can't help ing の違い
- can't help が「せざるを得ない」になる理由
- まとめ
can't help but do の意味と使い方
「can't help but ~」の意味は「~せずにはいられない」や「~せざるを得ない」と訳されます。
but の後ろには動詞の原形が入ります(慣用的表現)。
I can't help but buy it.
それを買わずにはいられない。
それを買わざるを得ない。
また、「say」や「think」など that節が続けられる動詞の場合は「can't help but 動詞の原形 that SV」の形でもよく使われます。
代表的なのは「I can't help but say that(~と言わざるを得ない)」です。
I can't help but say that this book is one of the best I've ever read.
この本は今まで読んだ中で一番の本だと言わざるを得ません。
can't help but の例文
We couldn't help but laugh.
私たちは笑わずにはいられなかった。
I can't help but just cry out.
ただ泣くしかない。
I can't help but think she is lying.
彼女が嘘をついていると思わざるを得ない。
I can’t help but wonder what life would be like if my mom was still alive.
もし母がまだ生きていたらどんな人生になったのかと考えずにはいられない。
You can't help but feel like you played some small role.
いくつかの小さな役割を演じたような気がしてならない。
can't help but do の言い換え表現
「can't help but do」は「can't help doing」と言い換えることが可能です。
I can't help buying another one.
もう1つ買わずにはいられない。
もう1つ買わざるを得ない。
can't help but do と can't help ing の違い
「can't help but do」と「can't help doing」は意味的には同じですが、文脈よってニュアンスが微妙に変わることがあります。
まず、「can't help but do」は自然に湧き上がる感情に使われる傾向があります。
そこから、「他に選択肢はなく、そうするしかない」というイメージになります。
例えば、先述の「I can't help but buy it.」は「買いたいという感情が湧き上がってきた」ので「もう買うしかない」と考えることができます。
「I can't help but cry.」なら「泣くという感情が湧き上がってきて、泣く以外にできない」となります。
一方、「can't help doing」は「行動や感情が抑えきれずに出てしまう」という意味でよく使われ、「~することを止められない」というイメージです。
そこから、「つい~してしまう」と訳されることもあります。
例えば、「I can't help laughing at his jokes.」なら「彼のジョークについ笑ってしまう」となり、「笑ってしまうことを止められない」というイメージです。
また、「can't help doing」の方が少し口語的です。
英米の違い
他には、can't help but do はアメリカで使われる傾向にあります。
ただ、そのような傾向があるだけで、イギリスでも使われます。
例えば、映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、ハリーが「can't help but do」を使っています。
can't help が「せざるを得ない」になる理由
では何故このような意味になるのかというと、「help」は「can / can't」を伴うと「~を避ける」や「~を防ぐ」という意味で使われるからです。
そこから、イメージ的には「can't help doing= ~することを避けられない」→「~せざるを得ない」となります。
一方、「can't help but」の場合は、「but = ~以外」の意味があり、「~する以外は避けられない」でも意味は通ります。
しかし、「but」は否定語と組み合わされることにより「だけ(only)」の意味合いにもなります。
よって、「can't help but」の形で「~するのだけは避けられない」と考えることもできます。
これは「nothing but」が「~に過ぎない」や「ただ~だけ」になるのと同じです。
まとめ
・「can't help but +動詞の原形」の意味は「~せずにはいられない」や「~せざるを得ない」
・「can't help +動詞のing」と言い換えられる
・「can't help but do」は自然に湧き上がる感情に使われる傾向があり、「他に選択肢はなく、そうするしかない」というイメージ
・「can't help doing」は幅広く使われ、どちらかというと口語的
・「行動や感情が抑えきれずに出てしまう」という意味でよく使われ、「~することを止められない」のニュアンスから「つい~してしまう」とも訳される
・「can't help but +動詞の原形」はアメリカで使われる傾向があるが、イギリスでも使われる
・「help」は「can / can't」を伴うと「~を避ける / ~を防ぐ」という意味になり、そこから「can't help = ~を避けられない = ~せざるを得ない」となる
・「can't help but」は、「but」は否定語と組み合わされることにより「だけ(only)」の意味で使われ、「~するのだけは避けられない」と考えることができる
・「but = ~以外」の意味から「~する以外は避けられない」とも考えられる