「make up for」と「make it up to」の意味は、どちらも「埋め合わせをする」ですが、意味と使い方が少し異なります。
この記事では、例文を交えながら、それぞれの違いと使い方を見ていきます。
make up for の意味と例文
「make up for」の意味は「~の埋め合わせをする」や「(不足や損失)を補う」です。
I have to make up for the days I was absent.
→欠席した日の埋め合わせをしなければならない。
後ろに「the days(that)I was absent(欠席した日)」が置かれており、「その休んだ日の埋め合わせをしなければならない」という文になっています。
状況的には、例えば、学校を休んでいる間の授業の埋め合わせや、仕事の埋め合わせなどです。
I'll make up for it tomorrow.
→明日、(その)埋め合わせをします。
埋め合わせや補う内容が分かっている場合は「it」もよく使われます。
Her genius makes up for her lack of firsthand experience.
→実地経験の不足は彼女の天賦の才能で補える。
(引用:DUO3.0 例文89)
この文は「her lack of firsthand experience(彼女の直接得た経験の不足)」が続いています。
それを「Her genius(彼女の才能)が補う」となります。
make up for と compensate の違い
「compensate」の意味は、自動詞「埋め合わせをする」と他動詞「~に補償をする」です。
ただし、「compensate」は「金銭的な補償」や「何らかの被害や損失に対する補償」に対して使われます。
そのため、使われる場面は比較的限定されます。
一方、「make up for」は、日常会話で使われるような幅広い「~の埋め合わせ」や「~を補う」という意味で使われます。
make it up to の意味と例文
「make it up to」の意味は「~に対して補償する」で、後ろには「人」が入ります。
主に、誰かに対する失敗や過ちなどの埋め合わせという意味で使われます。
例えば、「人と会う約束をしていたのに忘れてしまった……」という時は、次のように言うことができます。
I'm sorry, I'll make it up to you.
→すみません、埋め合わせをします。
また、「How can I make it up to you?(どうやって埋め合わせすればいい?)」もよく出てきます。
「by doing」で応用
後ろに「by +動詞のing」を置くことにより、「~することによって」と続けることができます。
I'll make it up to you by buying you dinner.
→夕食を買って(おごって)埋め合わせします。
I made it up to my sister by helping with her homework.
→妹の宿題を手伝って埋め合わせしました。
make up with の意味
似た形に「make up with」がありますが、これは「~と仲直りする」という意味になります。
I want to make up with him.
→彼と仲直りしたいです。
I made up with her.
→彼女と仲直りしました。
また、自動詞的にも使うことができます。
Let’s make up.
→仲直りしましょう。
We made up.
→(私たちは)仲直りしました。
まとめ
・「make up for」は「~の埋め合わせをする」や「(不足や損失)を補う」
・「compensate」は「金銭的な補償」や「何らかの被害や損失に対する補償」
・「make it up to」は「~に対して補償する」で、後ろには「人」が入る
・「人」に対する失敗や過ちなどの埋め合わせの文脈で使われる
・「make it up to 人 by +動詞のing」の形で「(人)に~することによって埋め合わせする」
・「make up」は「仲直りする」で、「make up with」の形で「~と仲直りする」