「English Grammar in Use」は、世界的に有名な英文法書です。
しかし実は「Grammar in Use」シリーズの中の1冊でもあります。
Grammar in Use は英語のレベル別に分かれており、種類が豊富です。
正直、それぞれの違いや、どれが最適なのかなど、少し分かり難いです。
そこでこの記事では、「Grammar in Use」の選び方やレベルの比較。
そして、日本人学習者に最適なレベルをご紹介したいと思います。
English Grammar in Use とは
「English Grammar in Use」はケンブリッジ大学から出版されている英文法書です。
一言でいうと、英語で学ぶ英語の文法書になります。
全て英語で書かれているため、日本語を介さずにネイティブの感覚で学ぶことができます。
全145項目あり、左1ページが解説、右1ページが練習問題という構成になっています。
日本の英文法書と比べ、例文や練習問題の数が豊富なので、日本の英文法書にはない視点から学ぶことができます。
総ページ数は380ページあります。
また、英語しか書かれていないため、
・この文法はこういう使い方ができるのか
・こうも言えるのか
・これで良いのか
などという、新たな発見もあります。
以上のように、英語学習者にとって使うメリットの多い教材となっています。
Grammar in Use はベストセラー教材
「Grammar in Use」は世界中の英語学習者に使われており、英文法書のベストセラー教材になっています。
本書はケンブリッジ大学の出版なので、イギリス英語が基礎になっていますが、「アメリカ英語を学びたい」という方のために、アメリカ英語版も出版されています。
他にも、eBook付属版、付属品無し版(テキストのみ)があります。
eBook(電子書籍としてダウンロード&例文音声再生可)が必要ない場合は、テキストのみの版を選びます。
3つのレベル
「Grammar in Use」は初級・中級・上級の3つに分かれています。
・初級 Essential Grammar in Use
・中級 English Grammar in Use
・上級 Advanced Grammar in Use
それらを1つずつ見ていきます。
「Essential Grammar in Use」
目安は「TOEIC ~500点」。
※TOEICの点数の目安はケンブリッジが想定しているものです。
レベルは「basic(初級)」です。
内容は、be動詞、時制、受動態、疑問文、所有格、助動詞、前置詞など、基本的な項目が並びます。
本書は挿絵も多く、視覚的に学ぶことができます。
また、基本的な例文が多いため、英語の文章を読むことはできるけど、いざ話そうとすると、パッと出てこなかったり、混乱してしまうという、スピーキング(瞬間的な英作文)の基礎を鍛えたい方にもおすすめです。
他には、基礎レベルのことをネイティブはどう教えるのか知りたい場合。
もしくは日本の英語教育との違いを見る、という英語学習とは違った視点での使い方もできます。
もし、日本語の英文法書をまだやり終えていないという方は、先に日本語の文法書で学んでから、こちらに移行するのが効果的だと思います。
eBook付属版
テキストのみ
「English Grammar in Use」
目安は「TOEIC 600点前後」。
レベルは「intermediate(中級)」です。
一番人気のある本がこの中級になります。
どれを買うか迷った場合は、この本を選ぶのが最適です。
※理由は改めて後述します
「Advanced Grammar in Use」
目安は「TOEIC 700点~」。
文字通りの上級(Advanced)です。
ここから一気にレベルが上がるため、英文法や英語にある程度の自信がある方向けになります。
挿絵もなくなり、文字の密度も格段に上がります。
また、中級までは文法の解説がほとんどでした。
しかし、上級は応用がメインになってきます。
そのため、中級をマスターした方が、更なるレベルアップを目指すための高難易度仕様になっています。
中級までは英語学習者なら必須の1冊と言えますが、この上級は人を選ぶ、と言ってもいいと思います。
本書は、文法の確認や気になる所をピックアップする辞書的な使い方や、復習しつつ理解を深める使い方になります。
eBook付属版
テキストのみ
アメリカ英語版
イギリス英語版と比べ、内容が大きく異なるわけではありません。
イギリス英語とアメリカ英語の発音、スペル、ニュアンスの違いなどです。
一応、それらの違いの簡単な解説も載せられています。
そのため、英文法学習という点では、どちらも差はほぼありません。
もし、アメリカ英語にこだわりがある場合、アメリカに行く予定があったりアメリカと関わりになる、という場合はこちらを選ぶのがいいと思います。
アメリカ英語版は初級と中級があります(基本的に中身はイギリス英語版と同じです)。
これもeBook付属かテキストのみに分かれています。
初級(eBook付属版)
初級(テキストのみ)
中級(eBook付属版)
中級(テキストのみ)
おすすめは「English Grammar in Use」
おすすめはイギリス英語版の中級(English Grammar in Use)です。
その理由は「日本の英語学習者にとって最適」というのが1つあります。
日本人は義務教育として、基本的な英文法の知識を身に付けます。
英語をやり直したい場合も、全くのゼロからではなく、最低限の知識は持っているはずです。
その状態で、基礎から復習しつつ、更にレベルアップできるのがこの中級になります。
内容も簡単すぎず、難しすぎず、バランスが良くなっています。
例文も豊富で、様々なシチュエーションがあり、応用も可能です。
そのため、この中級で基礎を学びながらマスターできれば、TOEICなどの試験で高得点へ繋がる足掛かりにもなります。
目標はこのレベルの文法をマスターすること
英文法の勉強は、この中級をマスターレベルに持って行くのが1つの目標であります。
この中級は、抑えておくべき文法がほとんど網羅されており、なおかつ手元に置いておいて無駄になることはありません。
何故なら、文法や例文の用例集、気になった所を調べる辞書的な使い方も可能だからです。
また、巻末には、動詞変化や短縮形など、日本の英文法書にも載っているような付録。
そして、「additional exercises」という追加の問題や確認問題があります。
以上のように、Grammar in Use 1冊で、相当なボリュームがあります。
英語学習者なら、手元に置いておくべき1冊になっています。
補足情報として、「Grammar in Use」シリーズは、ここからスタートしました。
そのため、最新版が出るのも中級が一番早いです。
中級最新版は2019年4月発売の「English Grammar in Use 5th edition」の「Japan Special edition」になります。
これは学習手帳付の日本限定版です。
eBook付属
テキストのみ
この日本限定版の中身は2019年1月に発売された通常版と同じなので、手帳が必要なければ下記の通常版で間に合います。
eBook付属
テキストのみ
最新版と旧版との違い
最新版と旧版では違う部分が1つあります。
それはCD-ROM版の有無です。
これまではCD-ROM版も存在しましたが、最近ではCD-ROM版がなくなりつつあります。
文法書ゆえ、最新版と旧版で中身が大きく異なるわけではありません。
ですが、新品のCD-ROM版を取り扱っているところは少なく、中古も値段が高くなりがちです。
どうしてもCD-ROM版でなければいけない方以外、最新版をおすすめします。
その他の「in Use」シリーズはこちらをご参照ください。
Grammar in Use のサイズ
最後におまけとして、 サイズの比較です。
日本の一般的な文法書や参考書と比べても、これだけ違います。
厚さはこのくらいです。
日本限定版の学習手帳は、総合英語シリーズと全く同じサイズです。
ちなみに学習手帳の中身はこんな感じです。
使い方のサンプルも載っています(目標、学習した内容などの記載)。
以上のように、日本の参考書と比べると、かなり大きいです。
そのため、唯一のデメリットは持ち運びに不便という所です。