start to do と start doing の意味の違いとニュアンスを例文で比較

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start to do と start doing の違い

 

start to do」と「start doing」 はどちらも「~し始める」という意味です。

 

 

しかし、それぞれが持つニュアンスは少し異なります

 

 

start to」は「行為の開始地点」に視点が置かれており、その行為が継続しない場合もあります

 

 

start doing」は「その行為が始まってからある程度継続している」という含みを持ちます。

 

start to do と start doing の例文比較

 

例えば、「It started to rain.」という文。

 

 

日本語訳は「雨が降り始めた」になりますが、これは「降り始めの地点」を表しています。

 

 

外を歩いている時に雨粒を感じたら、「It started to rain.」になります。

 

そして、その行為が継続しない場合もあるため、降り始めたけど今は止んでいる可能性もあります

 

 

 

それに対し、「It started raining.」は雨が降り出してから少し時間が経っている状況を表しています。

 

 

ただし、会話などカジュアルな場面ではどちらも同じように使われることも多いです。

 

その他の例文

 

She started to say something.」という文を見てみます。

 

 

日本語訳だと「彼女は何か言い始めた」ですが、これは彼女が何か言い始めた地点に焦点があてられています

 

 

そして、その行為が継続しない場合もあるため、「彼女は何か言いかけた(言いかけてやめた)」と訳されることもあります。

 

 

 

一方、「She started saying something.」は、彼女が何かを言い始めてから、その行為が継続しているニュアンスを持ちます。

 

 

よって、「彼女はいま何かを言い始めたのではなく、言い始めてから少し時間が経っている」ような意味が含まれています。

 

 

明確な意味合いの違い

 

最後に、コーパス・クラウン総合英語にはこのような例文と解説が載っています。

 

He started to talk to her, but he couldn't.

 

彼は彼女に話しかけ始めたが、できなかった。

 

 

He starting talking to her, and enjoyed it very much.

 

彼は彼女に話しかけ始め、彼女との会話をとても楽しんだ。

 

 

started to talk と言っても、話しかけようとしただけで実際話したことにはならない。

 

一方、started talking と言えば、実際話し始めたことになる。

 

(引用:コーパス・クラウン総合英語 p228)

 

このように、明確な意味合いの違いが生まれることもあります。

 

 

ただ、先述のように、明確な区別が必要な場合以外、会話レベルでは to do も doing も同じように使われていることも多いです。

 

 

 

注意点は、start が進行形「be starting」になる場合は「be starting to do」の形になります。

 

 

理由は、starting doing と ing が2連続で続くことを避けるためです。

 

映画『ハリー・ポッターと賢者の石』の例文

start to do と start doing の意味の違いとニュアンスを例文で比較

映画『ハリーポッターと賢者の石』より

 

Voldemort started to gather some followers.

 

"例のあの人"が仲間を集め 力を広げ始めた

 

 

魔法学校入学前、買い物を終えたハリーとハグリッドが食事をしているシーンです。

 

 

ここでは「仲間を集め始めた」と始めた起点が示されていますが、この文だけだとその後は分かりません。

 

 

しかし、その後に"例のあの人"が暴れまわることが言及されるので、集め始めた後まで行為が継続していること(集め始めた、そして~した)を意味します。

 

 

 

もしこれが「started gathering」だと「既に集め始めていて」のニュアンスを持つことになります。