名詞「clown」の意味
「clown(クラウン)」は「道化師」という意味の名詞です。
日本語ではピエロと呼ばれている人たちを指します。
しかし、ピエロは「pierrot」と綴るフランス語が語源です。
更に、「clown」と「pierrot」は異なる存在です。
clown と pierrot の違い
言語の違いだけではなく、clown と pierrot は役割が違います。
・clown = おどけたり話術で楽しませる
・pierrot = 話さずパントマイム的に楽しませる
ピエロはクラウンの一種なのですが、日本語のピエロはクラウンを指すことが多く、意味がごっちゃになっています。
そして何より、英語圏ではピエロという言葉はほぼ使われていません。
よって、日本語のピエロに相当する英語がクラウンになります。
名詞「clown」のスラング的な意味
名詞「clown」には「バカ」や「馬鹿者」というスラング的な意味も持ちます。
You're such a clown!
→お前は本当にバカだねぇ!
What a clown.
→バカだなぁ。
What a clown to believe this.
→これを信じるなんてバカだなぁ。
動詞「clown」の意味と使い方
「clown」を動詞として使うと、「ふざける」や「おどける」という意味になります。
主に「clown around」の形で自動詞的に使われます。
また、「ピエロの格好やメイクをする」というニュアンスでも使われることがあります。
He clowned around.
→彼はふざけた。
Please stop clowning around.
→ふざけるのはやめてください。
I'm clowning around in these pics.
→これらの写真で私はふざけています。
I’m clowning around.
→ピエロの格好をしています。
clown の語源
サーカスの演目の間には、どうしても準備時間ができてしまいます。
その間を持たせるために、お客さんを楽しませる役割を果たすのがクラウンです。
おどける芸だけではなく、司会をすることもあります。
この役をクラウンと呼ぶようになったのは18世紀頃。
イギリスのサーカスに所属していたおどけ役が自分のことをクラウンと名乗ったのが始まりとされています。
では何故 clown が道化師やおどけ者の意味になったかというと、諸説あります。
・土の塊、馬鹿者、田舎者という意味の英語「clod」から来ている説
・古代ノルウェー語の「無骨者」を意味する「kluni」から来ている説
次のようなツイートもあります。
【clown(クラウン)とは】
— 大道芸人GEN(ジェン)@アルジェントさーかす (@Algento_GEN) January 27, 2021
crownは王冠、clownは道化師
昔、一番「笑わせた人」が偽物の王冠をもらう!
そんな風潮があった。
偽物の王冠だから一文字違いでclown。
clownの語源として語り継がれている一つの説である!!
白黒映画の『ノートルダムのせむし男』のワンシーンにも出てくる。#クラウン
このように、定説がありません。
pierrot の語源
「pierrot」の語源は、中世イタリアの仮面を使った即興演劇「コメディア・デラルテ(コンメディア・デッラルテ)」にあります。
その召使役であるペドロリーノは、白いマスクを被ってダブダブの服を着て、道化的な役割を果たしていました。
それが現在の白いメイクと衣装に繋がっています。
そして、ペドロリーノは「Pedrolino」と綴り、時代と共に「pierrot」と変わっていきました。
jester の意味
似たような存在に「jester」があります。
意味は「道化師」ですが、こちらは中世の時代に王や貴族を楽しませるために雇われた人たちです。
「宮廷道化師」とも言います。
ちなみに、『ドラゴンクエスト8』にドルマゲスという道化師のようなキャラクターが出てきます。
英語版では、街の人たちから彼は「jester」と呼ばれています。
まとめ
・「clown」の意味は「道化師」
・「clown」は「おどけたり話術で楽しませる人」
・日本語の「ピエロ」はこのクラウンを指すことが多い
・名詞「clown」はスラングで「バカ」や「馬鹿者」などの意味で使われる
・「clown around」の形で「ふざける / おどける」と自動詞的に使われる
・「pierrot」は「話さずパントマイム的に楽しませる」
・「pierrot」はフランス語が語源で、英語圏ではあまり使われない
・「jester」は「中世の時代に王や貴族を楽しませるために雇われた道化師」