コーパス・クラウン総合英語の特徴とレベル【レビュー】

コーパス・クラウン総合英語の特徴とレビュー

コーパス・クラウン総合英語

 

 

コーパス・クラウン総合英語は、2021年12月14日に三省堂から発売された新しい総合英語です。

 

評判もよろしく、早速購入してみました。

 

 

商品紹介文には、

 

英語の原理を理解させ、コーパスによる語彙頻度を示す、真にコミュニカティヴな英文法の確立を目指す、〈Principle+Corpus〉=新たな総合英語の誕生!

 

と書かれています。

 

 

コーパス・クラウン総合英語の特徴

 

監修者はウィズダム英和辞典にも関わっており、まえがきにはこうあります。

 

日本で初めて本格的にコーパス準拠で編集された『ウィズダム英和辞典』の成果も取り入れ, 実際に「使われている」「使える」生きた英語の習得の助けとなるべく工夫を凝らしました。

 

用例もできるだけコーパスで導き出される「典型例」を示し,「覚えることで日常会話や自由英作文などの発信に使える」ものを多く収録するよう心掛けました。

(まえがき p2 より)

 

※コーパスとは、テキストや会話を大量収集しデータベース化したもの

 

 

そのため、タイトルにコーパスの名が付けられ、学業としての英語だけではなく、実用性にも重きを置いています

 

またそれに伴い、ウィズダム英和辞典第4版に載っている情報も記載されています。

 

その点はジーニアス総合英語と似ています。

 

 

そんなコーパス・クラウン総合英語を一言でいうと、総合英語と英文法書の橋渡しです。

 

イメージとしては、総合英語をベースにしつつ、要所で英文法書の知識も取り入れている感じです。

 

 

例として、現在完了の補足的な説明の一部を見てみます。

 

現在完了形<have[has]+過去分詞>の haveは, もともと本動詞の have に由来するもので, <所有>の意味が残っている。

(略)

古い英語では<have[has]+目的語+過去分詞>の語順で, I have my unbrella lost.といった形で表されていた。

その語順が時を経て, <have[has] +過去分詞+目的語>の順になっていった。

いってみれば過去分詞で表される状況の目的語を持っていることを述べる形だと言えるのだ。

(p89 より)

 

このような説明がなされており、後半は総合英語というよりも英文法書の方に近いです。

 

 

他にも、

 

・be married to が with ではなく to を使う語源の解説

 

・could の用法のところに could use(~があるとありがたいのですが)

 

・時制に「I'm wondering if you could」と「I wonder if you could」の違い

 

など、総合英語の枠から見ると、深く突っ込んている箇所が散見されます。

 

情報量の多さ

 

そして、特徴の1つが情報量の多さです。

 

他の一般的な総合英語と比べてみます。

 

サイズ的には同じですが、ページ数は総合英語の中でも多い方です(704ページ)。

 

コーパス・クラウン総合英語のサイズ比較

コーパス・クラウン総合英語のサイズ比較

※1番左は「表現のための実践ロイヤル英文法」

 

 

更に1ページの文字数も多く、情報が詰め込まれています。

 

それ以外にも、コラムや練習問題などが多分に含まれており、ボリュームが増しています。

 

コラムの充実

 

コラムの内訳は、

 

・英語の原理

・コーパス

・ここが Point!

・発信のヒント

・コミュニケーション

・注意しよう!

・類義

・語源

・発展

・質問箱

・Grammar in Writing

 

と多岐に渡り、全部ひっくるめて目次だけでも8ページあります。

 

英語の知識だけではなく、ライティングやスピーキングにも役立つ情報が含まれているため、コラムを読むだけでも勉強になります。

 

 

そして最大の特徴が、各章の最後に載っているQRコードを読み込むことにより、追加の情報を得られることです。

 

それにより、本に載せきれなかった発展的なコラム、追加の用例、注記などを見ることができます

 

2022年4月には、基本文法解説アニメ動画も提供される予定です。

 

 

以上のことから、トータルの情報量としては本の厚み以上のものがあります。

 

練習問題の数

 

練習問題は全部で500問以上あります。

 

問題は用法ごとに載せられているため、1つずつ確認しながら読み進めることができます。

 

 

また、細かい部分ではありますが、解答は次のページに載せられているため、解答を見るために行ったり来たりするストレスを省くことができます。

 

本によっては解答が章の最後や巻末にまとめられて、多少面倒だったりします。

 

例文の質

 

例文や問題文として使われている文章は、実用的かつ馴染みやすいものが多くなっています。

 

 

例えば、

 

・新しいスマホはどう?

・絶対に歩きスマホはするな

・私の弟はいわゆるマザコンだ

・ばかなことを言うな

・私は彼女がマスクをしていない姿を見たことがない

・パソコンがどうしても立ち上がらない

・その声は聞き覚えがある

・病み上がりなのでポールは本調子ではない

・暑い夏の日には、キンキンに冷やしたレモネードに勝るものはない

 

など、「これ使えそう」と思える例文や、意訳的なものが見られます。

 

 

実用的な例文はスピーキングの材料になったり、頭にも残りやすくなるメリットがあります。

 

人物名としてビリー・アイリッシュが出てくるのも最近の書籍感があります。

 

ここには先述した前書きの「覚えることで日常会話や自由英作文などの発信に使えるものを多く収録」が反映されています。

 

 

見出し語の例文は全部で1033あり、用法ごとの例文や類例も合わせると、かなりの数になります。

 

見やすい構成

 

構成的にも整理されており、頭に入りやすくなっています。

 

従来の総合英語だと、1つの用法に1~2例文+解説という構成が多く見られます。

 

 

しかし本書は、現在進行形なら現在進行形で言えることが1つの枠に。

 

未来形なら未来を表すために使える表現が1つの枠にまとまっています。

 

 

また、分かりにくい受動態の文章の作り方も、従来なら「肯定文+解説」→「否定文+解説」→「疑問文+解説」のような構成になっています。

 

一方、本書は「肯定文・否定文・疑問文の併記→解説」になっています。

 

その上で、WH疑問文、進行形、完了形、助動詞を含む文と、1つずつ進んでいきます。

 

 

これの何が良いのかというと、辞書的な使い方をした時に一目で分かりやすいことです。

 

 

他には、助動詞+have+過去分詞の用法を見ると、<過去の推量>として「may have」「must have」「cant' have」「should have」の例文が1つの枠に収まっています。

 

その下に解説と類例、「must heve+過去分詞とhad to の違い」のような類義、練習問題。

 

そして次に<過去の後悔・非難>として「should have」「could have」「need not have」の例文が1つ枠にまとまっています。

 

 

このように、似た表現の例文を並べることで、文章同士の比較ができるのが見やすい理由の1つになっています。

 

 

そして、その上で基礎と発展に分かれています。

 

その説明はニュアンスも含めて簡潔かつ丁寧に書かれており、英米の違いや似た表現があれば補足として載せてあります。

 

文章の作り方が分かり難いものは、例文と共に併記してあります。

 

 

これは個人の感想になりますが、解説に余計なことは書いておらず、用法やニュアンスの説明が単純に分かりやすいと思います。

 

コーパス・クラウン総合英語のレベル

 

総合英語というと、文法の基本の部分から用法を詳しく説明している本というイメージがあります。

 

しかし、コーパス・クラウン総合英語から英語を学ぶのには難しいレベルです。

 

むしろ、一般的な総合英語の基礎が頭にある状態で、知識固めや最終確認する本になっています。

 

初心者向け総合英語よりも、英文法書の方に寄っているというのもあります。

 

 

各種コラムも、基本的なことが頭に入っている状態で読むことにより、英語の理解が進みます。

 

中でも Grammar in Writing は、大学受験の英作文対策さながらです。

 

 

以上により、

 

1つ上の大学を目指している方

過去に英語を学んだことのある社会人のやり直し

2冊目の総合英語

辞書的な使い方

総合英語を1冊だけ買うならこれを選ぶのもあり

 

となります。

 

 

逆に英語初心者の方や中学生がこの本から勉強を始めたり、マスターすると意気込むと、おそらく挫折する率が高いと思います。

 

よって、英語初心者にはおすすめはできません。

 

www.1karaeigo.com

 

まとめ

 

・総合英語に英文法書が少し被さっているイメージ

・学業だけではなくコーパスを活用し実用性も重視

・例文が実用的

・コラムや英語に関する情報が豊富

・その他の総合英語より密度が高く難しめ

・基本的な総合英語で学んだあとに更に詰める1冊

・初心者向けとは言えない