「come」が「行く」になるとき
基本的に、
・「go」は「行く」
・「come」は「来る」
と訳されます。
しかし、「come」も「来る」という意味で使われることがあり、そこが混乱する要因になっています。
ただし、この「come = 来る」として使われる場合は決まっています。
それは、「相手のところに行く時」です。
「come」は「話し手や聞き手、話題になっている場所に近づいていく」というイメージを持ちます。
そこから、「相手の方に近づく = 相手の方に行く」となります。
I'm coming. の意味
有名な例文は、誰かに呼ばれた時の「今行きます」です。
これが英語で「I'm coming.」になる理由は、呼んでいる人の方に近づくからです。
もし、これを「I'm going.」と言ってしまうと、「呼んでいる人とは違う場所へ行く = どこかに出かける」ということになってしまいます。
Can I come over? の意味
以上のように考えると、「Can I come over?」の意味も分かりやすくなります。
「come over」は「家に来る」という意味ですが、ここでも「come」の特性が出てきます。
「Can I come over?」は「私があなたの家に近づいてもいいですか?」のニュアンスがあります。
そこから、日本語に訳すと「あなたの家に行ってもいいですか?」となります。
「come over」について詳しくはこちらをご覧ください。
→come over の2つの意味。come とは何が違う?
go と come の使い分け
以上のように、
・go = 別の場所に行く
・come = 相手の場所に行く
というイメージの違いがあります。
次はシチュエーションと共に例文を見ていきます。
例文で見る go と come の使い分け方
例えば、ある2人が自宅にいる状態で電話しているとします。
この状態で「明日あなたの家に行きます」と言いたい場合。
これは「I'll come to your house tomorrow.」になります。
「相手がいるところ(家)に行く」から「come」が使われています。
これが「海に行こうよ」なら「Let’s go to the beach.」になります。
話し手がいる場所とは別のところ(the beach)へ行くので「go」が使われます。
その他の例
「I'm going to see a movie tomorrow.(明日映画を見に行きます)」に対して「私も行っていいですか?」と言いたい時。
答えは「Can I come(with you)?」になります。
相手と同じ場所に行く時や同行する時も「come」が使われます。
「I'll come with you.(一緒に行きます)」も同様の考え方で、同じ場所まで同行するので come になります。
もう1つ例文を上げてみます。
Are you going to come to the party?
→パーティに行きますか?
この文は、話し手もパーティに行くニュアンスが含まれます。
話し手がパーティが開催される場所に近づくイメージです。
つまり、「私は行くけどあなたも行きますか?」になり、上記の映画の例文と同じく、話し手と質問された人が同じ場所に行くので come が使われています。
※あくまで話し手のニュアンスのため、この用法の場合は go も使われます。
go と come の複合型
次は複合型です。
I'm going to his house tonight. Do you want to come with me?
→今夜彼の家に行くんだけど、一緒に行く?
この文は、
・話し手がいる場所とは別の場所(彼の家)に行くから go
・同じ場所に行くから come
という使い分け方がされています。
まとめ
・話し手や聞き手、話題になっている場所に近づいていくのが come のイメージ
・come には「近づく」のニュアンスがある
・come が「行く」になるのは相手の場所に行くとき
・相手と同じ場所に行く場合や同行する場合も come
・話し手や聞き手、話題になっている場所から離れていくのが go のイメージ
・go はどこか別の場所に行くとき