リフォームは和製英語
カタカナで使われる、家などの「リフォーム」。
これは和製英語です。
正確に言うと、「reform」という単語はありますが、日本とは違う意味と使い方です。
英語でリフォームと言いたい場合は「renovate」や「remodel」を使います。
更にややこしいのが、その2つも微妙にニュアンスが異なる点です。
renovate の意味
「renovate」の意味は「~を改装する」で、「古い建物などを新しくする」のニュアンスがあります。
例えば、「The newly renovated hotel」と言うと、「新しく改装されたホテル」を意味します(ここでは形容詞化)。
その名詞形は日本語でもおなじみの「renovation(リノベーション)」です。
また、「改修」の意味で使われることもあり、その意味の類義語には「repair(~を修理する)」があります。
イギリス英語では、「renovate」の代わりに動詞「refurbish(リファービッシュ)」という単語も使われます。
remodel の意味
「remodel」の意味は「~を改築する」です。
名詞「model(モデル)」は「模型」やファッションモデルなどの「モデル」です。
それを動詞で使うと、「~を作る」や「~の型を作る」という意味になります。
それに「re(再び)」が付くことにより、「再び作る = 改築」になります。
そして、日本語の「リフォーム」に近いのがこの単語です。
Rather than renovate the entire house, we remodeled and enlarged the basement workroom.
私達は、家全体の改修はせず、地下の作業部屋のリフォームと拡張をしました。
(引用:ALL IN ONE TOEIC テスト 音速チャージ! 例文194)
改装・改修・改築・修繕の意味
そもそも日本語自体の意味が分かり難いので、ここで改装、改修、改築、修繕の意味を見てみます。
・改装 →外観や内装などを新しくすること
・改修 → 道路や建物などの悪い部分(老朽化・欠損など)を直すこと
・改築 → 建物の一部またはすべてを新しく建てかえること
・修繕 → 建物を建設当初の水準にまで回復させること
このような意味の違いになります。
では「リフォーム」とは何かというと、英語の「reform」から来ています。
が、問題は日本で使われている意味とは違うという点です。
英語の「reform」の意味
「reform」の意味は「(システムや制度、組織など)を改善・改良する」です。
The Japanese government implemented economic reforms.
→日本政府は経済改革を実施した。
(引用:速読英単語 必修編[改訂第7版] p215)
そして、「~を改心させる」や「(行動などを)を改める」という意味でも使われます。
よって、「reform」は建物に対しては使われません。
そこがリフォームが和製英語と呼ばれる所以です。
さらにカタカナの「リフォーム」は、改装・改修・改築の線引きが曖昧なまま使われていることもあり、余計に分かりにくくなっています。
まとめ
・「renovate」の意味は「~を改装する」で、「改修」の意味でも使われる
・「古い建物などを新しくする」のニュアンス
・名詞形は「renovation」
・「~を改修する」の類義語は「repair(~を修理する)」
・イギリス英語では、動詞「refurbish」という単語も使われる
・「remodel」の意味は「~を改築する」で、日本語の「リフォーム」に近い
・動詞「model」の意味は「~を作る」や「~の型を作る」で、それに「re(再び)」が付くことで「再び作る = 改築」となる
・「reform」の意味は「(システムや制度、組織など)を改善・改良する」
・「~を改心させる」や「(行動などを)を改める」の意味もある
・「reform」は建物に対しては使わない