「Do you speak English?」と「Can you speak English?」の違いと本来のニュアンス【Can you speak が失礼になるのは本当?】

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Do you speak English? と Can you speak English? はどちらが正しい?

 

相手に「英語が話せますか?」と聞きたい時、

Do you speak English?

 

Can you speak English?

この2つのフレーズが思い浮かぶと思います。

 

 

日本にいる外国の方に「日本語を話せるかどうか」を聞きたい場合、「Do you speak Japanese?」か「Can you speak Japanese?」で聞くのも同じです。

 

 

 

そして、たまに「Can you は失礼だから Do you を使うのが正しい」と説明されることがあります。

 

 

しかし結論から言うと、会話レベルではどちらも同じです。

 

どちらが失礼などという差はほぼありません

 

 

その理由は、このフレーズに関しては質問内容が同じだからです。

 

違いを日本語で比較

 

違いを日本語で比較するなら、

「Do you speak English?」は「英語を話しますか?」

 

「Can you speak English?」は「英語を話せますか?」

になり、若干ニュアンスは異なりますが、会話においては言っていることは同じになります。

 

 

 

以上の結論を踏まえつつ、次は文法の面から本来のニュアンスと、それぞれの厳密な違いを比較していきます。

 

 

「Do you speak」の意味と本来のニュアンス

 

現在形は普段のことを表します。

 

 

よって、「Do you speak ~?」は「普段は何々語を話しますか?」というニュアンスを持ちます。

 

 

これは「What do you do?」が「普段何をしていますか? → 仕事は何ですか?」になるのと同じです。

 

「Do you speak」の答え方

 

例えば、日本に住んでいる外国人の方に「Do you speak Japanese?」と聞いた場合。

 

 

日本語ができず、母国語を話しているなら「No.」になります。

 

 

もし日本語ペラペラで、普段から日本語を話している人なら「Yes.」と答えるかもしれません。

 

 

母国語メインだけど日本語も少し話しているなら「A little.」などという答え方もできます。

 

日本人に「Do you speak Japanese?」と聞いた時

 

極端な例を上げると、日本生まれ日本育ちの人に「Do you speak Japanese?」と聞いたら、答えは100%「Yes.」になります。

 

 

日本在住の日本人は普段から日本語を話すからです。

 

 

このように、Do you speak ~? は日常的に使っている言語というニュアンスがあり、答え方はその人が普段使う言語によって変わってきます

 

I speak Japanese. の意味

 

もう少し踏み込むと、日本語話者は「I speak Japanese.」です。

 

 

現在形は普段のことを表すので、「私は(日常的に)日本語を話します」となります。

 

 

He speaks Japanese.」と言ったら、彼は日本語を日常的に話す人だということになります。

 

 

簡単に言うと母国語です。

 

 

「Can you speak」の意味と本来のニュアンス

 

Can you speak ~?」は「何々語ができますか?」で、「話す能力」のニュアンスを持ちます。

 

 

日本語での質問のイメージに近いのはこちらだと思います。

 

 

 

例えば、日本に住んでいる外国人の方に「Can you speak Japanese?」と聞いた場合。

 

 

日本語が話せないなら「No.」

 

日本語ペラペラなら「Yes.」になります。

 

日本語が少し話せるなら「A little.」や「Yes, a little bit.」などと答えられます。

 

 

 

もし、日本人に「Can you speak English?」と聞いたら、Yes. の人もいれば No. の人もいます

 

「A little.」や「Yes, a little bit.」という答え方があるのも同じです。

 

日本在住の日本人に「Do you speak English?」と聞いた時

 

仮に日本在住の日本人に「Do you speak English?」と聞いたら、ほとんどの人が「No.」と答えるはずです。

 

 

何故なら、「日本にいて普段から英語を使っている日本人は少ないから」です。

 

 

 

仮に「Yes.」と答えた人がいたとしたら、帰国子女、家族や恋人が海外の人、職場が英語オンリーなど、日本語よりも英語の方が身近にある人の可能性があります。

 

I can speak English. の意味

 

普段は日本語を話す人が「I can speak English.」と言ったら、ニュアンス的には「母国語や普段は日本語だけど、英語もできます」になります。

 

 

この2つの違いは、

「I speak ~」は母国語や普段使っている言語

 

・「I can speak ~」は「第二言語、第三言語……」

と考えると分かりやすいと思います。

 

文法的には違うが会話では同じ

 

以上のように、「Do you speak」と「Can you speak」は文法的には異なり、厳密にはニュアンスが異なります。

 

 

しかし、先述した通り、会話では同じ質問として捉えられることがほとんどです。

 

Can you speak は何故失礼と言われるのか

 

「Can you speak English?」が失礼に当たると言われる理由は、そもそも使わない状況を例に上げている場合と、Can you speak が「あなたは話せる能力はあるのか?」と考えてしまうからです。

 

 

 

前提として、「"○○語ができますか?" という質問を誰にするのか」や「質問する状況」を考えてみます。

 

 

そもそも、英語圏出身であろう人に「英語できますか?」とは聞きません

 

 

しかし、英語圏以外であろう人には「英語できますか?」と聞いても何もおかしくはありません

 

 

仮に相手の出身や母国語が分からなくても、何のヒントもなかったり、突然「何語を話すか」と聞くことはほぼありません

 

 

 

また、Can you speak の本来のニュアンスから、「あなたは話せる能力はあるのか? と高圧的に聞こえるから失礼になる」というのも、文法的に考えるとその意見も分かります。

 

が、会話は文法通りに行われるわけではありません

 

日本人に「英語ができるか?」と聞く意味

 

日本人に「英語ができるか」と聞くのは「第二外国語を話せますか?」と同じことです。

 

 

その場面で「英語分かりますか? / 英語できますか? / 英語話せますか?」のどれで聞いても、言っていることに大きな差はありません

 

 

どのように聞かれても、会話の流れの中ではほぼ同じ質問内容であり、不快に思う人もまずいないと思います。

 

 

それは Do you speak と Can you speak のどちらで聞いても会話レベルでは一緒なのと同じです。

 

Can you speak が失礼になるのは相手が話せると分かっている時

 

もし相手が英語を話せると知っているのに「英語を話すか / 英語ができるか」と聞くのは、当たり前ですが失礼に当たります

 

 

日本語でゴチャゴチャ意味の分からないことを言っている人に「日本語話せや!」と言っているのに近いかもしれません。

 

 

そうなったら「Do you」でも「Can you」でも、もはや関係ありません。

 

 

それに、普通の会話の流れでは、失礼になるような質問自体出てきません。

 

ネイティブの意見

 

このトピックについて、アメリカ出身のネイティブの方が話している動画がいくつかあります。

 

 

やはり、いずれも「Do you speak English? と Can you speak English? は同じ」という結論です。

 

 

 

まとめ

 

・会話では「Do you speak」と「Can you speak」は実質同じ質問

 

・日本語で言うと「英語分かるの? / 英語できるの? / 英語話せるの?」などと聞くのと同様に、厳密には違うものの、質問内容自体には大きな差がない

 

 

・「Do you speak ~?」は普段の言語を聞くニュアンス

 

・「Can you speak ~?」はその言語を話すことができるかのニュアンス

 

 

・一般的な会話の流れで失礼な質問になることはまずない