「by all means」にはいくつかの使い方があります。
・返事として使う
・肯定文と否定文に入れて文を強調させる
この記事では、例文を交えながらそれぞれの使い方、そして語源を見ていきます。
by all means の意味と返事としての使い方
1つ目は、日本語で言う「もちろん」や「どうぞ」に相当します。
これは、相手に「~してもいいですか?」と聞かれた時、「もちろんいいですよ」と相手に許可や同意を与える返事として使われます。
丁寧な言い方になるため、ビジネスやあまり親しくない間柄でも使われる表現です。
「Can I borrow this book?」
「By all means.」
↓
「この本を借りてもいい?」
「もちろん」
「Can I ask you a personal question?」
「By all means.」
↓
「個人的なことを聞いてもいい?」
「いいですよ」
「May I sit here?」
「By all means.」
↓
「ここに座ってもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
肯定文の by all means の使い方
「by all means」には返事以外に、文頭・文中・文末に置かれ、文章の一部になるパターンがあります。
肯定文の場合は、「ぜひ / 必ず / 何としても」などという意味で使われます。
By all means, I go for a walk every day.
→私は毎日必ず散歩に行きます。
By all means, please drop by anytime.
→是非いつでもお立ち寄りください。
By all means, take your time.
→慌てなくて(ゆっくりで)いいですよ。
By all means, visit us in Japan.
→ぜひ日本に来てください。
We must avoid war, by all means.
→何としても戦争は避けなければならない。
If you have any question, by all means let us know.
→もし何か質問があれば、是非お知らせください。
He is trying by all means to be a nice man.
→彼は何としてもいい人になろうとする。
否定文の by all means の意味
否定文で使われると、「決して~ない」や「絶対に~ない」のように、否定を強調する表現になります。
そして、この「not + by all means」と類似の表現には、「by no means」と「not + by any means」があります。
その2つの表現と合わせて例文を見てみます。
By all means, don't underestimate his power.
→決して彼の力を見くびらないでください。
This is not by all means the fastest way to do this.
→これは決して一番早い方法ではありません。
This game was not by all means fair.
→この試合は決してフェアではなかった。
Don't try this at home, by all means.
→絶対に家(自宅)では試さないでください。
She is not by any means poor.
→彼女は決して貧乏ではない。
It's not perfect by any means.
→決して完璧ではない。
He is by no means a fool.
→彼は決して馬鹿ではない。
Nick is by no means satisfied with the reward.
→ニックは決してその報酬に満足していない。
(DUO3.0より)
by all means の語源
「means」は「手段」という意味の名詞です。
「by all means」を直訳すると「全ての手段によって」や「あらゆる手段で」になります。
そこから、先述のような「ぜひ」や「何としても」などという意味に繋がります。
日本語訳からの視点として、「ぜひ(是非)」を国語辞典で引いてみると、大体このような意味が載っています。
・どうしても
・なんとしても
・なにとぞ
・必ず
・是が非でも
これが「by all means」が先述の訳語になる由来です。
ただ、by all means は慣用表現であるため、ひとかたまりで丸暗記した方がいい表現であります。