「覆水盆に返らず」という言葉があります。
無職の太公望は働こうとせず本ばかり読んでいたので、妻はあきれて離縁しました。
その後、太公望が国のお偉いさんになると、元妻は復縁を求めます。
その時、太公望は水の入った盆をひっくり返し、「この水を盆に戻してみろ」と元妻に言います。
もちろん元妻はできません。
そこで太公望は「1度ひっくり返った盆に水を戻すことができないように、我々も元の関係に戻ることはできない」と言いました。
※覆水とは「入れ物(容器)からこぼれた水」のこと
という逸話が由来になっています。
元々は「別れた夫婦はもう元には戻らない」という意味でした。
今ではそこから転じた、「1度そうなってしまったことは、もう2度と元には戻らない」という意味がメインで使われています。
そして、英語にも覆水盆に返らずと同じ状況を表すことわざが存在します。
この記事では、英語版覆水盆に返らずと、それに使われている文法を解説していきます。
英語で「覆水盆に返らず」
上記の話と似たような英語のことわざが「It is no use crying over spilt milk.」です。
・こぼれたミルクを見て泣いても無駄だ
・こぼれたミルクを嘆いても仕方がない
There's no use crying over spilt milk. の意味
他にも、
「There's no use crying over spilt milk.」
という言い方があります。
これは表現方法(文法)が違うだけで、意味的には同じです。
他にも「There's no point (in) doing」の形でも同じ意味を表すため、言い換えることができます。
It is no use crying over spilt milk の文法
・It's no use doing
・There’s no use (in) doing
・There's no point (in) doing
いずれも「~することは無駄だ / 意味がない」という意味があります。
[spilt milk(こぼしたミルク)を crying over(泣く / 嘆く)のは It's no use(無駄である)]
ALL IN ONE の例文
ALL IN ONE にこのような例文が出てきます。
There is use wailing about past failures.
It's no use crying over spilt milk.
↓
過去の失敗を嘆いても仕方がない。
覆水盆に返らずだ。
(引用: ALL IN ONE 例文339 より一部抜粋)
※ wail → 嘆き悲しむ / 泣きわめく
この例文は覆水盆に返らずを入れつつ、先述の2つの表現が1つに纏まっています。
[参考文献]
・英語力を総合的に上げる ALL IN ONEシリーズ の特徴と比較【レビュー】
ドラクエ8の例文
Well…I suppose there's no point crying over spilt milk…
ここでは「There's no point doing」のパターンが使われています。
「I suppose+that節」の意味は「(おそらく)~だろうと思う」です。
まとめ
英語で「覆水盆に返らず」は、
・It's no use crying over spilt milk.
・There's no use crying over spilt milk.
・There's no point crying over spilt milk.
という3つの言い方で表すことができます。
いずれも使われている表現方法が違うだけで、意味的には同じです。