「覆水盆に返らず」という言葉があります。
無職の太公望は働こうとせず本ばかり読んでいたので、妻はあきれて離縁しました。
その後、太公望が国のお偉いさんになると、元妻は復縁を求めます。
その時、太公望は水の入った盆をひっくり返し、「この水を盆に戻してみろ」と元妻に言います。
もちろん元妻はできません。
そこで太公望は「1度ひっくり返った盆に水を戻すことができないように、我々も元の関係に戻ることはできない」と言いました。
という逸話が元ネタです。
元々は「別れた夫婦はもう元には戻らない」という意味でした。
今ではそこから転じた、「1度そうなってしまったことは、もう2度と元には戻らない」という意味がメインで使われています。
ちなみに覆水とは、「入れ物(容器)からこぼれた水」という意味です。
これと同じような意味の言葉が英語にもあります。
「It is no use crying over spilt milk」
→こぼれたミルクを嘆いても仕方がない。
「There's no use crying over spilt milk」
とも言います。
文法的にはどちらも同じです。
・It's no use doing
・There’s no use (in) doing
・There's no point in doing
など、いずれも「~すること(doing)は無駄だ / 意味がない」という意味で使われます。
英語圏のドラマや映画で、朝食としてシリアルに牛乳をかけて食べるシーンがよく出てきます。
ある意味、イメージしやすいことわざと言えそうです。