「prepare」と「prepare for」の意味は似ているようで、そのニュアンスは大きく異なります。
また、類語に「get ready」もあります。
この記事では、それらの意味と違い、そして使い方を例文を交えて1つずつ見ていきます。
prepare と prepare for の違い
日本語では、
・他動詞「prepare」の意味は「~を準備する」
・自動詞「prepare」+「for」の意味は「~に備える」
などと訳されます。
この違いを簡単に言うと、「それ自体を準備する」のか「それの下準備をする」のかの違いになります。
次は例文を交えて違いを見ていきます。
prepare の意味
I have to prepare dinner.
→夕食の準備をしなければならない。
これには夕食自体を準備すること、つまり「料理を作る」というニュアンスがあります。
次の例文も同じです。
Every week she prepares a special supper for us, starting with soup and salad.
→毎週彼女は、スープとサラダから始まる特別な夕食を私たちのために用意してくれます。
(引用: 速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.4 p282)
この文は「彼女が特別な夕食を作る」なので「prepare a special supper」となります。
prepare for の意味
I have to prepare for dinner.
→夕食に備えなければならない。
こちらは、食材を揃える、手を洗う、テーブルを整えるなど、夕食のための一連の準備です。
外食しに行く場合は、着替える、財布を取ってくるなど、外で食べるための準備になります。
I need to prepare for breakfast.
→朝食の準備をする必要がある。
この文は、朝食そのものを準備する(料理を作る)のではなく、「朝食のために下ごしらえ」や「朝食を食べるための準備」になります。
He stayed up late preparing for the trip.
→彼は旅行の準備で遅くまで起きていた。
(引用: DUO select)
これは「旅行に行くために必要なものを準備する(揃える)」です。
もしこれが「prepare the trip」なら、旅行そのものの準備、つまり旅行会社や旅行を手配(旅券や泊まる場所の予約など)をする側になります。
次の例文も同じです。
A teenage brother and his sister are preparing for a family trip.
→10代の兄と妹が家族旅行の準備をしています。
(引用: 速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.4 p258)
これは「旅行に行くための荷造り」になります。
I need to prepare for tomorrow's math test.
→明日の数学のテストに備える必要がある。
これは「テスト勉強など、テストに向けた準備をする」になります。
prepare for a test と prepares a test の違い
もし先ほどの例文が「I need to prepare tomorrow's math test.」になった場合。
意味は「テストそのものを準備する必要がある」になります。
つまり、「数学のテスト作成など、テストを実施するための準備をする」という意味合いになります。
この違いは以下のような文が分かりやすいと思います。
The teacher prepares a test.
→先生はテストの準備をする(=テストを実施するための準備をする)。
The student prepares for a test.
→生徒はテストに備える(=テストに向けて勉強などをする)。
以上のように、
・「prepare」は「そのものを準備」
・「prepare for」は「それに向けた準備 / それのための準備」
と考えると頭に残りやすいと思います。
prepare the report と prepare for the report の違い
「prepare the report」は「レポートそのものを準備する」。
つまり、「レポートを作成する」となります。
もしこれが「prepare for the report」になった場合。
こちらは「レポートを作成するための下準備(=レポート作成に必要な資料集めなど)をする」となります。
prepare と get ready の違いと使い方
似たような言葉に「get ready」があります。
この違いは単純で、「prepare」よりもカジュアルなのが「get ready」です。
ただし、使われる形が少し異なるので注意が必要です。
言い換える場合は、
「prepare ~」=「get ~ ready」
「prepare for ~」=「get ready for ~」
という形で使われます。
例えば、
「I have to prepare dinner.」
↓
「I have to get dinner ready.」
「I have to prepare for dinner.」
↓
「I have to get ready for dinner.」
となります。
「be ready」と「get ready」の違いはこちらをご覧ください。
→「be ready」と「get ready」の違いは be と get の意味の違い
まとめ
・「prepare」は「そのものの準備」
・「prepare for」は「それに向けた準備(下準備)」
・「get ready」は「prepare」のくだけた表現
・「prepare ~」=「get ~ ready」
・「prepare for ~」=「get ready for ~」
ちなみに名詞形は「preparation(プリパレイション)」で、意味は「準備」になりますが、医療の分野では「調合・調剤」や「調合薬」という意味も持ちます。