「still = それでも」の意味
副詞「still」は「まだ / 未だに」以外に、「それでも」や「それにもかかわらず」の意味でも使われます。
主に「but」と一緒に使われ、「~だが、それでも~だ」という文章パターンが多いです。
She didn't study much, but she still passed the exam.
彼女はあまり勉強しなかったが、それでも試験に合格した。
日本語的には「あまり勉強しなかったにもかかわらず試験に合格した」と訳すこともできます。
また、この「still」は逆説と考えることができます。
次の例文も同様です。
It was raining, but he still went for a run.
雨が降っていたが、それでも彼は走りに行った。
こちらも「雨が降っていたにもかかわらず走りに行った」となります。
以上のように、「still = それでも / それにもかかわらず」の意味で使われます。
アニメ『らんま1/2』のセリフ

You may be violent and feral, but you're still a girl.
どんなに狂暴でも お前女だもん(日本語のセリフ)
直訳だと「あなたは暴力的で野蛮(feral)かもしれないが、それでもあなたは女の子です」になります。
ここでは「may + but + still」で「~かもしれないが、仮にそうだったとしても~だ」のニュアンスで使われています。
文頭の「still」の意味
文を繋ぐ形ではなく文頭に置かれることもありますが、フォーマルな言い方になります。
It was raining. Still, he went for a run.
雨が降っていた。それでも彼は走りに行った。
「still」が文頭に出ていますが、文の意味的には文中に置かれた場合と同じです。
しかし、文を切ることで、フォーマルな感じや書き言葉寄りになります。
そのため、会話では文中に置かれる方が一般的です。
I told him not to go. Still, he went.
彼に行くなと言った。それにもかかわらず彼は行った。
She turned down his marriage proposal twice. Still, he didn't give up.
彼女は彼のプロポーズを2度断ったが、それでも彼はあきらめなかった。
(引用:ウィズダム英和辞典 第4版)
FFTの例文1

How you've grown, boy! Still, I recognized you at once.
「大きくなったな、坊や! それでもすぐに君だと分かった」
ここでは「成長したけれども君だと分かった」となります。
1つの目の文は「How」を使った感嘆文です。
FFTの例文2

Still, it seems I am left no choice but to deny you your freedom. A Lamentable situation for us both.
「それでも、どうやらあなたの自由を奪う以外に選択肢はないようだ。私たち双方にとって嘆かわしい状況だ」
be left no choice but to → ~するという選択肢以外残されていない
deny A B → AにBを与えない
lamentable → 嘆かわしい / 悲しむべき
「まだ」との違い|ドラクエ1の例文

Months have passed, and still they have found naught.(sigh)
「何ヵ月も経ったが、未だに彼らは何も見つけていない(ため息)」
※naught → nothingの古い表現
ここでは「, and still」の形で主語の前に置かれていますが、「未だに」の方が意味的にも自然です。
何故なら、「まだ」の意味は「事態が予想していた以上に続いていることを表す(引用:ウィズダム英和辞典 第4版)」からです。
「英辞郎 on the WEB」にも似たような説明が載っています。
同じ動作[状態]が予期したより長く続いている様子
(引用:英辞郎 on the WEB)
つまり、ここのセリフは「何ヵ月も経ったが、何も見つけられていない状態が続いている」ことを意味しています。
もしこれが「Months have passed. Still, they have found naught.」のように「ピリオド+文頭のStill」に分けられていたら、「何ヵ月も経った。それにもかかわらず彼らは何も見つけていない」と訳出することができます。
ただ、どちらのパターンも大意は同じです。
また、日本語的には「何ヵ月も経ったにもかかわらず、未だに彼らは何も見つけていない」などとも訳せるため、結構ややこしいことになります。
FFTの例文

Twenty and more years of loyal service, and still I have not earned your trust? Words fail me, Your Grace.
「20年以上も忠実に仕えてきたのに、まだあなたの信頼を得られていないと? 言葉がありません、閣下」
こちらも同じパターンで、「, and still SV」の形になっており、「20年以上仕えてきたのに、未だに信頼を得られていない」となります。
「Words fail me.」の意味は「言葉が出ない」です。
「would still」の意味と使い方
「would still」は「それでも~だろう」という仮定法の文で使われます。
Even if I failed, I would still try again.
たとえ失敗したとしても、また挑戦するだろう。
これは「仮に失敗したとしても、それでもまた挑戦するであろう」ことを意味します。
また、「still」の文が前に置かれることもあります。
I would still go, even if it rained.
雨が降っていたとしても行きます。
前から訳すと「私はそれでも行くだろう、たとえ雨が降ったとしても」となります。
その他の例文
I would still find it interesting.
それでも面白いだろうと思います。
Even if no one came, I would still go.
たとえ誰も来なくても、それでも私は行きます。
I would still say it's worth a try.
それでも試してみる価値はあると思います。
※直訳は「それでも私は言えるだろう、やる価値があると」
まとめ
・副詞「still」は「それでも」や「それにもかかわらず」の意味でも使われる
・文脈によっては「そうだったとしても」のニュアンスになる
・主に「but」と組み、「~だが、それでも~だ」という文章パターンが多い
・「Still, 文.」と文頭にも置かれるが、フォーマルかつ書き言葉寄り
・「would still」は「それでも~だろう」という仮定法の文で使われる
・「まだ」の意味は「事態が予想していた以上に続いていることを表す」ことから「未だに」となる
・「, and still SV」などの形で文を繋いでいる場合は「未だに」の意味