ハブルータとは対話的な勉強法
ハブルータとは、ユダヤ人が行っている学習方法です。
やり方を簡単に説明すると「生徒が二人一組になってお互いに教え合う勉強法」です。
相手と学習内容について質問し合ったり、あるテーマについて討論をするという、双方向・対話的な勉強法になります。
・理解力が上がる
・「理解したつもり」を「理解した」にできる
・記憶の定着率が高い
・考える力が身に付く
・説明力が身に付く
・効率的
ハブルータ学習のメリット
日本の教育は詰め込み教育と言われてきました。
実際、ただ椅子に座って授業を受けるだけだと、時間が経つにつれて、覚えたはずのものすらどんどん忘れていきます。
しかし、学んだことを誰か説明する工程を挟むと、学習内容を忘れにくくなります。
何故なら、きちんと説明するためには、きちんとした理解が必要だからです。
ユダヤ人学生は理解を深める工程を授業前の予習という形で行っているようです。
そして、授業でペアになった人と教え合ったり討論をするため、授業自体が実践の場であると言えます。
そのような「きちんと理解をして誰かに説明する」という行為が、理解力と記憶の定着率の高さに繋がります。
それに伴い、要点を捉える考え方や、説明する力も鍛えることができます。
以上のように、「理解→説明」という勉強法は様々な能力を高められるため、非常に効率的です。
そのため、子供への教育法として「学んだことや今考えていることを子供に説明させてみる」こともおススメされています。
その際、親自身も論理立てて考えたり、結論までの道筋を示してあげる必要があるので、慣れていないと意外と難しいと感じます。
英語のアウトプット練習に似ている
頭に入れたものを誰かに教えるという行為は、英語のアウトプット練習に似ています。
日本人は英語は読めるけど話せないと言われるのは、アウトプットの練習が足りていないのが理由の一つです。
それを克服するためには、アウトプット練習をする必要があります。
そして先述のように、学んだ英語をアウトプットする行為自体が効率的になります。
何故なら、「覚えたつもり」や「何となくわかった」から脱却することで、「使える英語」にすることができるからです。
学んだ英語を使えるようになれば、リスニングや問題を解く力のような受けの英語だけではなく、スピーキングや英作文、英会話などの発信する力も伸びていきます。
これはメタ認知にも関わってきます。
メタ認知とは認知を認知すること
・メタ認知
「自分の認知(知覚、記憶、推論、判断などの知的活動の総称)を客観的に認知すること」
・メタ認知能力
「自分の認知を客観的に認知できる能力」
勉強に当てはめると、自分が本当に知っていることと、知っていると錯覚しているものは違い、その違いを認識できる能力がメタ認知能力です。
つまり、「覚えたつもり」や「何となくわかった」は「知っていると錯覚しているもの」です。
知っていると錯覚しているものはスムーズに説明できません。
相手に分かるように説明できて初めて「知っている」になります。
「学んだことを説明する」ことで、頭に入ったと錯覚しているものをあぶり出すことができます。
これがハブルータ学習のメリットの1つであり、英語学習に応用できるポイントでもあります。
ハブルータを英語学習に取り入れる方法
ハブルータを英語学習に応用するには、大きく分けて3つの方法があります。
・文法や語法などを説明する
・英語で独り言
・英会話をする
文法や語法を理解し説明する
1つ目は、学んだ文法や語法などを説明することです。
文法書を読んだり単語の使い方を学んでも、いざ使う段階になると「あれ?」となることがあります。
・これ他動詞だっけ? 自動詞でも使える?
・これに続く前置詞って on だっけ……?
・これthat節で繋げられるんだっけ?
・「まで」を意味する by と until って何が違うっけ?
・be made of と be made from の違いって材料が関係なかった?
このような簡単なレベルでも、発信する側に立つと混乱しがちです。
それを防ぐには、文法や単語の理解を深めることだけでは足りません。
その使い方を誰かに説明するというアウトプットの機会を設けます。
勉強したものを説明(アウトプット)することで、理解が曖昧な部分を浮かび上がらせてくれます。
きちんと理解できていないものは説明に詰まるので、そこを突いていきます。
説明する方法
・英語学習仲間がいるなら、その相手に説明してみる
・お互いに例文を作り合ったり、相手の例文を改変してみる
・一人の場合は、生徒に教えている体で行うのがおすすめ
・イメージとしては塾や学校の先生のなりきり
・学んだものを盛り込んだ例文を作り、それを元に文法や語法などを説明する
このように、一人でも誰かに説明する練習をすることができます。
先生役になりきる方法は、芸人のロザン宇治原さんが学生時代にやっていた勉強法の1つとして紹介していたものでもあります。
英語で独り言をする
2つ目は、このブログでもたびたび触れてきた「英語での独り言」です。
英語の独り言を実践してみると、慣れるまでは結構大変な作業です。
何故なら、頭に入っている英語の知識を使って言葉を話すのは、受け身の学習とは真逆の勉強法だからです。
そして何より、きちんと理解していないと、先述のように「あれ?」と言葉に詰まってしまいます。
文章を作って口から出すというアウトプットを繰り返すことにより、「覚えているもの」から「使えるもの」に変わっていきます。
その段階になれば、かなり理解が進んでおり、誰かに説明することも簡単になっているはずです。
英会話を実践する
3つ目は英会話です。
今はネイティブの方と英会話ができる英語学習サービスが沢山あるため、実践する機会は多くなっています。
ただ、初対面の人と一定時間話し続けるのは日本語でも難しいです。
そのため、事前に話す内容を考えたり、ネタを箇条書きしたメモを用意しておきます。
事前に準備をすることは、学習の予習でもあります。
・意訳により意味がイマイチ分からない教材の例文
・文法や言い回しがよく分からない洋画や海外ドラマのセリフ
・日々の学習で遭遇した上手く訳せない文
・使い方を知りたい単語の例文を先生に作ってもらう
「これってどういうこと?」という疑問があれば、その都度メモしておきます。
何人かの先生に同じ質問をしてみるのもおすすめです。
そうすることで、何を言えばいいか分からず沈黙し、先生が話すに任せる状態を防ぐことができます。
そして、相手の話を聞き、こちらからも話をするという、双方向性が生まれます。
そのようにして行った会話は、ただ黙って聞いているよりも忘れないものになります。
まとめ
・ハブルータとはユダヤ式の双方向、対話的な教育法
・「理解→説明」という勉強法は様々な能力が鍛えられる
・学んだことを説明することで曖昧だった知識が分かる
・説明することで「知っていると錯覚しているもの」を「知っている」にすることができる
・文法や語法を説明、独り言、英会話を行い、インプット→アウトプットを意識する
・一人でも実践可能
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